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美髪のために~老化を遅らせて外側も内側も美しく~[吉田管理栄養士]

美髪のために~老化を遅らせて外側も内側も美しく~[吉田管理栄養士]

今年は九州や四国、近畿では早めに梅雨入りとなりましたね。あまり長引かずに梅雨明けしてほしい気持ちはありますが、梅雨が明ければ夏の暑さや紫外線が厳しくなりますね。 梅雨はじめじめして本当に不快に感じることも多いですが、梅雨のうちに色々ケアをして夏の暑さや紫外線でのダメージに備えておきましょう。今回は美髪のためのポイントを中心にお話していきますが、結果的に美肌や、身体の内側のアンチエイジングにもつながることなので是非参考になさっていただければと思います。

美髪とは

 

一般的にハリやコシ、ツヤがありサラサラな髪をいいますが、その前提に白髪や薄毛などもなく傷んでいない髪であることも重要ですね。
白髪や薄毛はどうしても年齢とともに起こりやすくなるものですし、グレーヘアとしてきれいに整えて美しく年を重ねている方ももちろん沢山いらっしゃいますが、最近では20代~30代前半でも白髪が出てきたり、薄毛に悩む方も多くいらっしゃいます。
大変個人差があらわれやすい部分だと思いますが、それも個性ですし、今は染めたり、ウィッグ、植毛などの方法もいくらでもありますね。そのため、あまり気にしすぎたりストレスに感じる必要もないのですが、生活習慣や食習慣で防げるところは是非防いでいきたいですね。

 

白髪・薄毛の原因

 

もちろん人によって異なりますし、確定はできませんが、病気によるもの以外で白髪や薄毛を引き起こす原因といわれているものをいくつか挙げます。

・遺伝
・老化
・ストレス
・紫外線
・生活習慣(睡眠不足や食生活含め)の乱れ
・ホルモンバランスの乱れ、低下
・喫煙
・血行不良 など

どちらも共通する原因が多くあります。
他にもAGA(男性型脱毛症)や他の脱毛症、その他疾病によるものなど様々な原因はありますが、今回は生活習慣や食生活の見直しなど普段から予防できることを中心にお話しますので、白髪と薄毛に共通する原因のみを挙げております。
そして今回注目の部分は「老化」です。老化は止められないし、仕方ない、髪の毛は遺伝だし体質だから仕方ない、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん髪の毛で人を判断する方が間違っているし、と、ありのままごまかしも隠しもせず堂々としていることも素晴らしいことです。
ただ、髪の毛もたんぱく質であり、すべて食べたものから作られているため、生活や食習慣で改善できることもありますので、「仕方ない」「諦めている」
といった考えをお持ちの方や、これから白髪が増えないか、薄くなっていってしまわないかと不安を感じている方は参考になさっていただければと思います。

私自身30代後半になり、たまに生える一本の白髪を見つけてはいつどのように増えていくのか、もともと細く多い方ではない髪がさらにボリュームダウンしていくのではないか、とたまに考えてしまうのですが、気をつけていてそうなるのと、気をつけないでそうなるのでは差が出ると思いますし、前向きに加齢、老化と向き合っていきたいと思うこのごろです。
では老化に抗う(アンチエイジング)ためにはどうしたら良いのでしょうか。

 

老化を遅らせるために大切なこと

 

加齢は止めることはできませんが、老化は遅らせたり、加速させないことは日々の心がけで可能ですし、個人差が大きく出ますね。病気のリスクを下げることにもつながっていきます。まず、老化を促進させてしまう原因としては「酸化」と「糖化」が大きく影響します。
酸化は「身体がさびる」に対し糖化は「身体がこげる」と考えましょう。

◆酸化とは


酸化は活性酸素によって起こりますが、活性酸素は悪さだけでなく身体を守ってくれる力がありますし、身体は酸化に対応する力も持っています。ただ処理しきれないほど活性酸素が増えてしまうと酸化(身体のさび)が進んでしまうということになります。

【活性酸素が増えてしまう原因】


・ストレス
・紫外線
・喫煙
・過剰な飲酒
・激しい運動
・汚染された大気

などがあります。
酸化を防ぐ方法は、これまでのコラムでも、抗酸化という言葉を使って何度かお話しておりますので、今回は詳細を省略させていただきます。
では糖化とはなんでしょう。近年話題になることも多いのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、とくに今回は「糖化」がポイントです。

 

◆糖化とは


たんぱく質と糖質がくっつくとAGEsAdvanced Glycation End Productsの略でエージーイーと呼ばれることが多く、日本語では終末糖化産物などといいます)とういものができます。
一体どんなものなのか、わかりやすい例としてよくパンケーキが挙げられます。焼き色がついてとても美味しそうに見えますが、この焼き色はこげたもので、メイラード反応と呼ばれます。
これは人の身体でも起こります。身体はたんぱく質でできていますので、糖質を摂ると人にも同じようにAGEsができます。ただし身体は排出する力を持っていますので、注意しなくてはいけないのは、そのキャパを超えてしまってどんどんAGEsが溜まってしまうことです。溜まっていくと、肌や髪、動脈硬化、白内障、細胞のあちこちの老化、機能低下、劣化の促進につながります。
また、どうしても加齢によって代謝は落ちるということは知られていますが、AGEsの排出力も落ちるといわれております。

 

【糖化を促進させてしまう原因】


・血糖値の急上昇(糖質が多い食べ物、飲み物、早食いなど)
AGEsが多く含まれる食品を摂る(たんぱく質と糖質を組み合わせたもの、高温調理のものなど)

AGEsは身体の中で作られてしまうことももちろんですが、AGEsが多く含まれる食べ物自体を食べ過ぎないように防ぐこともポイントなのです。
ではどのように気をつけたら良いのでしょうか。

 

【糖化(AGEs)を増やさないポイント】


●血糖値を急上昇させない
・野菜から先に食べる
・よく噛んでゆっくり食べる
・精製された白い食品を控える。(玄米、てんさい糖、きび糖、全粒分などが
・甘いものを摂りすぎない。(精製された砂糖や小麦粉を使ったお菓子、清涼飲料水などに注意)

●揚げ物など高温調理の食品を控える
・唐揚げ、ポテトフライ、セットになったファーストフードは控える。
・加熱するなら揚げ物、炒め物より蒸す、茹でる、煮るなどの調理法が

美髪のために~老化を遅らせて外側も内側も美しく~[吉田管理栄養士]

 

その他白髪・薄毛対策のポイント

 

もちろんバランスの良い食事といってしまえばそれまでなのですが、加えて意識していただきたいポイントを挙げます。

・たんぱく質をしっかり摂る
髪もたんぱく質でできているので、その材料を摂ることが大切なのは当然ですね。糖化に気をつけながら良質なたんぱく質を摂りましょう。(肉、魚、卵。大豆製品)

・髪を黒くする細胞メラノサイトを活性化する食品をしっかり摂る
カルシウム(小魚、桜えび、乳製品など)を含めミネラルを十分に摂ることが大切です。海藻(昆布やわかめが)や魚介類、発酵食品などを積極的に摂り入れましょう。またアントシアニンもおすすめです、黒ごまや、黒豆、ブルーベリー、ナスなどが

いかがでしたか。美しい髪や肌を保つために摂り入れた方が良いことの他に、控えた方が良いこともたくさんあることがわかります。酸化、糖化が進んでしまわないように是非意識してみてくださいね。

 

 

吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士
くらし薬膳 栄養アドバイザー

最終更新日:2024/10/30 14:59:15