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たんぱく質ってどんな栄養素?~摂取量の考え方やポイントを知って気をつけて摂り入れましょう~[吉田管理栄養士]

たんぱく質ってどんな栄養素?~摂取量の考え方やポイントを知って気をつけて摂り入れましょう~[吉田管理栄養士]

近年では低糖質、高たんぱく、という言葉をよく耳にしますよね。ごはんやパンなど炭水化物を多く含む食品や砂糖や菓子など糖質を多く含む食品を控えて、肉や魚、またはプロテインなどでたんぱく質は多く摂った方が良い、と認識されている方も増えていると感じます。 もちろんたんぱく質は身体をつくる材料となる成分で、大切な役割を沢山果たしておりますので人間にとって欠かせない栄養素です。 ですが、沢山むやみに摂れば良いということでもないですし、体質は人それぞれで、かえって身体の負担になってしまうこともありますので、今回はたんぱく質の役割や、おおよその摂取目安量の計算方法、注意すべきことなどを簡単にお伝えさせて頂きます。

たんぱく質って何?


人の身体は1520%くらいがたんぱく質でできております。
たんぱく質はアミノ酸がつながったもので、20種類のアミノ酸の配列により構成されます。アミノ酸がたくさんくっついたものがたんぱく質と考えましょう。

 

アミノ酸とは?


20種類のアミノ酸があり、体の中でつくることができる非必須アミノ酸と、体の中でつくることができない必須アミノ酸があり、必須アミノ酸は食事で摂取する必要があります。 

●非必須アミノ酸(11種類)

たんぱく質ってどんな栄養素?~摂取量の考え方やポイントを知って気をつけて摂り入れましょう~[吉田管理栄養士]

●必須アミノ酸(9種類)

たんぱく質ってどんな栄養素?~摂取量の考え方やポイントを知って気をつけて摂り入れましょう~[吉田管理栄養士]

たんぱく質としては皮膚や筋肉、髪、爪などの他にホルモンや免疫細胞の材料となり、大切な役割を果たしていますが、アミノ酸ひとつひとつをみていくと、それぞれの働きや特徴が異なっていることがわかりますね。ホルモンの材料になったり、神経にも関わる大切な成分です。
非必須アミノ酸は体内でつくることができるので、必須アミノ酸ほど意識して食事から摂取しなくても良いと誤解されてしまいそうですが、このように非必須アミノ酸にも大切な働きがあるため、不足しないように食事でも摂取していくことをおすすめします。
とはいえ、この食品からこのアミノ酸を、などと日常で細かく摂取してくことは難しいので、様々なたんぱく源の食品を摂るように意識していくと良いですね。
ちなみに、たんぱく質は三大栄養素(脂質、糖質、たんぱく質)のひとつで、必須栄養素です。肉、魚、卵、大豆製品などが主なたんぱく源となりますので、毎食摂り入れることが大切です。

食材に含まれるおおよそのたんぱく質量例

・豚ロース焼き100gで約26g
・生卵1個で約6.3g
・木綿豆腐80gで約5.3g
・焼きさば100gで約31g
・豆乳200mlで約7.6g

たんぱく質ってどんな栄養素?~摂取量の考え方やポイントを知って気をつけて摂り入れましょう~[吉田管理栄養士]

たんぱく質の摂取量目安

摂った方が良いことはわかったけど、一体どれくらいの量が必要なのか、難しいですよね。体質や体型、活動量などによって個人差がありますが、一般的な基準についてお伝え致します。

たんぱく質ってどんな栄養素?~摂取量の考え方やポイントを知って気をつけて摂り入れましょう~[吉田管理栄養士]

こちらの表は、厚生労働省が策定しているたんぱく質の食事摂取基準です。少しわかりにくいかもしれませんが、たんぱく質は食事全体で摂取したエネルギーのうち何%摂ったら良いかという数値で表されています。例えば成人女性(30代前後)でしたら、食事全体のエネルギー摂取のうち1320%はたんぱく質を摂りましょうということになります。また少なくても成人女性で一日50g摂取することが推奨されています。
必要量は体格や活動量などでも変わり、妊婦さん、授乳婦さんでも変わってきます。
また最近では、定期的な運動習慣がある人、アスリートなどは体重1kgあたり1.22.0(体重×1.22.0)のたんぱく質が必要であると考えられ、これを参考に計算し摂取する方もいます。
単純に体重50kgの人が1.2倍のたんぱく質を摂るとなると60gという計算になります。2倍となると100gも必要になります。普段の食事からは摂りきれずプロテインなどを利用する方も多くいらっしゃいますが、たんぱく質は腎臓で代謝されますので、沢山摂りすぎると腎臓の負担になることも考えられます。
腎機能に関しては個人差もありますので、自己判断でプロテイン摂取や過剰なたんぱく質摂取を続けることはあまりおすすめしません。専門家に相談をしたり、しっかり健康診断の結果をチェックしながら、一般の方はなるべく自然な形で食事から摂取することをおすすめします。

なんとなくたんぱく質は身体に良いからと積極的に摂っている方も多いと思います。確かに大切な成分ですが、たんぱく質だけを過剰に摂取する食事、極端に他の栄養素をカットする食事などは避けて、なるべく身体の負担にならないように健康的な食生活を送っていきましょう。

 

 

吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士
くらし薬膳 栄養アドバイザー

最終更新日:2024/11/07 15:53:57