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夏の暑さによる夏バテとは違い、暑さがやわらぐ季節になったにも関わらず、なんとなく体がだるい、食欲がわかないなど、夏バテのような体調不良を起こしている状態を「秋バテ」と呼んでいます。少し曖昧なものではありますが、まずは、秋になって過ごしやすい気候になっても以下のような症状がないかチェックしてみましょう。
□身体がだるい・重い □疲れやすい □朝起きるのが辛い □日中の眠気が気になる □仕事や家事などのやる気が出ない □頭痛が起こりやすい □めまいや立ち眩みがある □耳鳴りがする □食欲がわかない □暴飲暴食してしまう □胃が痛む・張る □便秘や下痢など、腸の調子がよくない □咳がでる □声がかすれる □肌や髪の乾燥が気になる □舌苔がべったりついている あてはまるものはありましたか?ひとつでも気になることがあれば、それは身体からのサイン。見逃さず向き合って対処することが大切です。 ここではざっくり秋バテ対策を解説しますが、くらし薬膳では、これらの不調からさらに具体的な原因を探り、弱点にしっかりとアプローチすることができますよ。
①夏の疲れを引きずっている(身体の熱を上手に取れなかった、ビタミン、ミネラル不足など) ②気温差などにより自律神経の乱れが起きている ③食欲増加や冷たいもの摂取などで胃腸疲れしている ④夏からの流れのまま身体を冷やす行動をしている ⑤乾燥により、喉、鼻などの炎症が起こる など
●生活リズム、体内リズムをしっかり整える 睡眠、食事、運動(活動)は基本の3つ。また、女性はホルモンバランスの影響を大きく受けるため、月のホルモン変化、年齢によるホルモン変化などを考慮し基本の3つをしっかり整える。 ●衣、食、寝具などを夏から秋へ切り替えて身体を冷やさない 日中暑くても、真夏と違い朝夕は冷えるため、調節できるようにする。羽織るもの(カーディガンやストールなど)を持ち歩いたり、とくに足元は冷やしたりしないように、足首が隠れる靴下を利用する。
食欲がある方(食べ過ぎを感じる方)のポイント 食欲がある方は、疲れているからと、エネルギー補給を間違った方法でしてしまうと、余計にだるさ、朝の起きにくさなどを招いてしまうことになります。 ●腹八分目を心がける 一人前以上食べてしまう、もしくは以前の食事より量が増えた方などは、満腹にならなくても八分目で抑えましょう。 と、いうのは簡単ですが、どう抑えるかが大切ですね。そのためには、以下のことを意識してみてください。 ●先に副菜(野菜、きのこ、海藻など)を主食(ごはん、パン、麺など)より先に食べる (どうしても摂れない場合は無糖のヨーグルトやゆで卵やサラダチキンなどたんぱく源からでもOK) わかりきっていると思うかもしれません。野菜じゃ満たされない、先に食べたとしてもごはんの量を減らせるわけではない、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、ただのカサ増しだけが目的ではなく、血糖値を急上昇させないこと、余分なものを排出しやすくすることが、大事な目的です。 ●山盛り、大盛にしない、おかわりをしない 一人前、ご自分に合った量を守りましょう。まずは一人前以下にとどめ、足りないと感じたときは、 後述の◆お助けアイテム◆を少量、組み合わせたりして使いましょう。 ●夜の食事に注意する 夜は脂肪をため込みやすくなる時間です。それだけでなく、夜の食べ過ぎは胃腸への負担、眠りの質にも影響するため、夕食後は就寝まで4時間以上あけることが理想です。難しい場合はとくに、高糖質、高脂質にならないよう注意しましょう。 ~~◆お助けアイテム◆~~ ナッツ、チーズ(一口くらい)、栗、さつまいも、無糖ヨーグルト(はちみつ少量入れても◎)、牛乳や豆乳(一杯程度)、ドライフルーツ、小魚、チーカマや魚肉ソーセージ(一本程度)、あたりめ、ブランパンシリーズなど低糖質パン、高カカオチョコレート
食欲がない、小食、痩せぎみの方はエネルギー不足での体力低下、ビタミン低下、ミネラル低下(とくに鉄)、水分不足を招きやすくなります。 ●食欲がない、一人前食べきれない、など 一度の食事で量が少ないときは間食とわけて食べるようにしたり、お腹がすいてからきちんと食べるようにしましょう。
お腹をすくのを待っていると時間がずれてしまう、というときには夜で調整しましょう。朝、昼とずれて昼が夕方頃になってしまった場合は、無理に夜食べるのではなく、軽めにすることで、次の日の朝は早めにお腹が空きやすくなります。
●胃腸に負担をかけにくくする 1.動物性脂質を摂り過ぎないようにする(肉は赤身、ロース、胸肉、ささみなど、魚は脂ののったサバより、白身魚が◎) 2.やわらかくする(茹でる、煮る、スープ、煮込みなど加熱をする、きざむ、つぶす、おろすなどの調理が◎) 3.消化を助ける食材を摂る(大根、かぶ、舞茸、パイナップル、キウイ、ヨーグルトなど) ※舞茸は生で摂れないですが、お肉と下味に漬け込んでおくとたんぱく質をやわらかくしてくれます。 4.食物繊維を摂り過ぎない(とくにごぼうなどの根菜は消化しにくく腸の負担となることがあります。) ●水分摂取をとくに意識する 食事量が少ないことで水分摂取も減少しやすくなるため、より意識してこまめな水分摂取を心がけましょう。秋は乾燥してくる時期ですので、喉、気管支、肺を守るためにもまずは水分が大切です。 ●食事のエネルギーUPをさせる 良質な油を摂って、摂取カロリーはもちろん、潤いをUPさせましょう。 油が足りないと肌の乾燥や便秘の原因にもつながります。 えごま油やあまに油を小さじ1~2杯程度を加熱せずにドレッシング、みそ汁、納豆、お料理にプラスすると◎ 一度に補いきれない栄養素を間食などで◆お助けアイテム◆やフルーツを摂り入れましょう。
秋バテを感じている方以外にもいえることですが、体脂肪が気になる方、日頃から疲れやすい方、妊活さん、妊婦さん、など特にお悩みがある方や体調に気をつけなくてはならない方も以下の食品に注意しましょう。身体を冷やしたり、だるさの原因、身体への負担などにつながります。 ・小麦粉 ・白砂糖(精製された砂糖) ・白米 ・添加物や合成甘味料
一年中食べられる食材もありますが、とくに秋が旬のおすすめ食材を摂り入れて、本来身体がもつ力を引き出していきましょう。
山芋 消化を助けてくれる酵素が含まれ、消化促進や、ぬめり成分により胃の粘膜保護などに役立ちます。 薬膳では滋陰といい身体を潤わすといわれており、秋の乾燥からも守ってくれるといえます。 さつまいも 以前のコラムでも魅力をお伝えしています。 https://kurashi-yakuzen.jp/column/meal/sweet-potatoes-the-taste-of-autumn/ 薬膳では健脾といい、消化吸収の促進や脾が正常な働きをするために役立つといわれています。 かぼちゃ β-カロテンやビタミンEなどが含まれ、抗酸化作用や血流UPにもおすすめ。またカリウムも含まれるため、むくみ予防などにも役立ちます。 薬膳では補気といい、肺や脾の気を補うといわれています。 他にも、きのこ、れんこん、にんじん、ごぼう、栗、梨、ぶどう、さんまなど秋におすすめの食材はたくさんあります。
根菜類は繊維が多いので胃腸の負担が気になる方は、すりおろして使用したり、やわらかく煮込んだり、調理法で上手に工夫すると良いですね。
いかがでしたか。 身体が疲れにくいようにするためには、胃腸を疲れさせないことがポイントです。 胃痛、胃の不快感、胃の張り、便秘、下痢などがある方は身体からわかりやすいサインが出ています。 まずは胃腸の健康から見直してみませんか。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
★吉田桃子 くらし薬膳栄養アドバイザーによるコラボイベントのご案内 2022年9月25日(日)【秋バテ対策】 くらし薬膳×イタリアンのコラボイベント開催予定 詳細・お問合せ・お申込みはInstagramのDMにて。 https://www.instagram.com/p/Chon_SCviRW/
最終更新日:2024/11/13 17:00:12
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