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家事や仕事などで精神的なストレスが多い場合、生活のリズムが乱れているとき、自律神経が乱れやすい状態になり、体調を崩しやすい状態になりがちです。自律神経には交感神経と副交感神経があります。体内のサーガディアンリズム(概日リズム)は朝日を浴びると交感神経が優位になります。反対に夕方になると副交感神経が優位に働くようになっています。
交感神経が優位になると、血圧や体温が上昇し体が活動しやすい状態に、また副交感神経が優位になると、血圧や体温が緩やかに下降してリラックスモードになります。交感神経が働いているときでも副交感神経が2~3割働き、体の血圧や発汗、脈拍などをコントールしているのです。
どちらか一方の交感神経が優位になりすぎると、交感神経のバランスが乱れやすくなります。たとえばストレスが多いときや忙しいときなどは交感神経が優位になりますが、交感神経が優位になりすぎると、血圧上昇や脈拍が早くなる時間が長くなることから、リラックスしにくい状況になってしまうのです。反対に副交感神経が優位になりすぎると、体の倦怠感を感じることも。
自律神経がバランスよく働くためには、生活リズムを整えることや、意識的にリラックスできる環境を作ることが大切です。
特に忙しくてストレスが溜まっているときには、呼吸が浅くなりがちです。交感神経が優位になることで、自然と浅い呼吸になってしま います。窓を開けたり屋外に少し出たりして、しっかり体の中の空気を吐き出します。深い呼吸を意識するだけでも新鮮な空気を体内に取り込むことができ、リラックス効果が期待できますよ。
仕事で忙しいときや、家事や育児でストレスが溜まっているときには、座ったままでおこなえるストレッチを取り入れることで、簡単にリラックスすることができます。
ストレスが溜まっていたり、デスクワークを長時間おこなっていたりする場合には、首や肩の筋肉が凝り固まり、血行不良に陥っていることも。首を左右に傾けたり、後ろをのぞき込むようにしたり、前後に首を傾けたりするだけでも、首からデコルテ付近の胸鎖乳突筋がストレッチされて、楽になることもあります。
肩の凝りがひどく感じるときには、肩甲骨を引き寄せる動きや、腕を前方にゆっくりと息を吐きながら突き出す動きをおこない、広背筋をストレッチさせることも有効です。
ストレスがたまると自然と肩に力が入り緊張状態になるものです。日頃からほんの数分間のストレッチを習慣にして、こまめにリラックス、リフレッシュを意識するようにしましょう。
家事や仕事で忙しいときには、シャワーだけで済ませたいということもあるでしょう。湯船に入ると、血管が拡張し、血行が促進されリラックス効果が高まりますが、忙しいときにはのんびりと湯船に入る時間がないこともありますよね。
そこで簡単にリラックスできる方法として、足浴や手浴をおすすめします。
足浴は、両足のひざ下が入る深さのバケツや桶を用意します。40℃くらいのお湯を張り、足のふくらはぎの3分の1程度を10~15分くらい浸けることで、体の末梢部分の血管が広がるので、リラックスすることができます。
もっと手軽に部分浴の効果を感じたいなら、洗面器にお湯を張り、手首やひじ下を40℃程度のお湯につける手浴を試す方法があります。手や腕、肩の血行促進効果が期待できるので、リフレッシュ、リラックスすることができます。
部分浴をするときに、好きなアロマオイルを2~3滴垂らして、優しい香りとともにさらにリラックス効果が高まります。
天然の植物の香りを使ったアロマテラピーでは、香りが人の脳にダイレクトな刺激を与えてくれることから、「芳香療法」と呼ばれています。忙しいときには好きな香りの精油をハンカチに1滴たらし、疲れたときに香りをかぐことで、脳の疲労回復効果を期待できます。
精油を選ぶときには100%天然のものを使うことがポイントです。 リフレッシュ効果が期待できる精油は レモン グレープフルーツ サイプレス ジュニパー ティートリー ペパーミント ベルガモット ユーカリ ローズマリー などがおすすめです。 さわやかな香りは、すっきりとした気持ちにさせてくれ、リフレッシュ効果が高まります。
寝る前にアロマデフューザーにアロマオイルを5滴垂らして香りを嗅ぐと、より深いリラクゼーションを得られるので、快眠効果が期待できます。 快眠に効果が期待できる精油は、 イランイラン クラリセージ カモミール・ローマン サンダルウッド スィートマージョラム ゼラニウム ティートリー ネロリ ベルガモット ラベンダー レモン などがあります。
アロマデフューザーに水を張って4~5滴程度垂らして、部屋に香らせてみると、呼吸が深くなり、眠りにつきやすくなります。アロマデフューザーがないときには、枕に1~2滴垂らしても。自分が香りをかいでみて、好きな香りや落ち着く香りの精油を使うことで、眠る前のリラックスタイムがより一層豊かな時間になります。
併せて、眠る前にホットミルクやカモミールティーを飲むことで、副交感神経を優位にさせてリラックスすることができますよ。
やることが多すぎて何も手につかない!ということもありますよね。そのようなときにはリフレッシュタイムやリフレッシュデーを意識的に作ることが重要です。できれば1日何もしない日を作りましょう。その日はノープランで過ごすのがおすすめ。
朝寝坊して2度寝したり、好きな映画やドラマを見たりして、ゴロゴロ過ごす日を作ることで、身体を養生させられます。リフレッシュデーは予定を全く入れない1日を過ごすのがポイントです。
お休みの日には出かけることがリフレッシュと思っている人もいることでしょう。実は出かけることで視覚や聴覚からの情報が増えるので、脳が疲労しやすい状態にもなります。何もしない1日を満喫して、エネルギーをチャージすることで、翌日からの仕事や家事の効率がぐっと上がるようになります。
1日のお休みは難しいというなら、小さなご褒美としてティータイムを用意することもおすすめです。時間をかけて丁寧にコーヒーやお茶を淹れ、おいしいチョコレートや贅沢なお菓子を少量つまむ時間を作ってゆっくりと味わうことでリラックスやリフレッシュができますよ。北欧では「フィーカ」といって、甘いお菓子やコーヒーを飲む休憩時間を大切にしています。
日頃からほんの少しの時間を使ってリラックスやリフレッシュすることで、その後の時間も効率よく活動することができますよ。
家事や育児で忙しいときこそ、簡単にリラックスできるストレッチやアロマなどを生活に取り入れ、意識的に休憩時間を取ることが大切です。心にゆとりがなくなると、気分がネガティブになりがちです。いつも自分らしくいるために手軽にリラックスやリフレッシュできる方法を探してみてはいかがでしょうか。
鎌田 知子 / Tomoko Kamata Webフリーライター。 アロマセラピストや保育士の資格や経験をもとに、美容、健康、育児などの記事を多数執筆。2児の母。趣味は読書とアロマテラピー、ヨガ。
最終更新日:2025/04/01 11:10:26
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