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疲労感、だるさ、食欲低下、眠気など、身体の不調を感じること。 原因はただ単純に暑いから、夏だから仕方ない、ということもないのです。もちろん夏の激しい暑さ環境、時期だからこそ「夏バテ」なのですが、温度差やエアコンでの冷え、食習慣などが大きく関わってきます。
・汗のかきすぎによる脱水、ミネラル不足 ・食欲低下により食べやすいものばかりを選んで栄養バランスが崩れる、全体的な摂取量の減少により栄養不足。 ・冷たい飲み物や、冷たい食べ物ばかりになってしまい内臓や身体が冷えすぎてしまう。 ・なかなか寝付くことができない、夜中目が覚めてしまうなど睡眠の質の低下。 ・暑い外とエアコンのきいた屋内の出入りが頻繁で身体の温度調節がうまくできない(自律神経の乱れ) ・一日中エアコンがきいた部屋であまり動かない ・お風呂はシャワーですませ、湯舟につからない ・外出を避けることが多くなり、運動不足になりやすい。 ・マスクにより呼吸が浅くなりやすく、体感温度も上昇しやすい。 など
●生活で気を付けること ・寝室の温度を快適にしておく。あらかじめエアコンや扇風機を利用し、寝るときには適温になっているようにすると良いですね。 ・電車の中や、クーラーのきいた屋内では一枚羽織るようにしたりして調節しましょう。 ・素足でサンダルを履く方も多いかと思いますが、クーラーがきいた場所ではストッキングや靴下の着用をおすすめします。 ・ぬるめの湯舟につかる。毎日は難しくても、クーラーで冷えてしまったなと感じる日や、時間に余裕があるときはなるべく浸かるようにしましょう。 ・疲れやイライラを感じたときや、外出から帰宅したら自宅では深呼吸を意識して行いましょう。外ではマスクを外すことができない状況ですが、外すことができる環境に移動した際は大きく呼吸をすることをおすすめします。
●食事で気を付けること ・暑くてどうしても食欲が低下しているときは、冷たいものを摂り入れるのも良いですが、シソやレモン、酢など、香りや酸味のあるさっぱりした食材を利用するのもおすすめです。 ・冷たいものばかりに偏らず、味噌汁やスープ、煮込みなど温かい料理もしっかり摂り入れましょう。 ・屋外での仕事やスポーツなど、暑くて身体がほてっているときは冷えたお水やスポーツドリンク、梅干しなどで水分やミネラル補給が必要ですが、屋内にいることが多く、エアコンがきいた場所にあまり動かず長くいるときは、常温のお水やホットドリンクがおすすめです。塩分の摂りすぎにも注意しましょう。 ・身体を冷やす作用をもつ夏野菜と、冷やしも温めもしない平性の食材を組み合わせましょう。※1 ・スタミナUPに役立つ食材を摂り入れましょう。(たんぱく質やビタミンB1、ビタミンB1の吸収を高めるアリシンなど)※2 ・紫外線で身体に活性酸素が増えることが考えられるので、しっかりビタミンCや抗酸化力の高い食材を摂り入れましょう。※3
※1 身体を冷やす作用をもつ寒涼性の食材 きゅうり、トマト、ナス、ズッキーニ、セロリ、アスパラガス、そば、バナナなど 身体を冷やしも温めもしない平性の食材 じゃがいも、さつまいも、大豆、黒豆、カリフラワー、ごま、白米、ぶどうなど
※2 疲労回復に役立つ食材 たんぱく質・・・肉、魚、卵、大豆製品(豆腐、納豆、高野豆腐、豆乳、きな粉など) 特に豚モモ肉や、豚ヒレ肉には糖の代謝や疲労回復に役立つビタミンB1が豊富に含まれます。 また鶏胸肉には、抗酸化作用や疲労回復に役立つといわれるイミダゾールペプチドという成分が多く含まれます。 アリシンが含まれる食材は、にんにくやネギ、ニラなどですが、特に、にんにくがおすすめです。 にんにくはお料理の香りを高め、食欲増進につながります。ただ、にんにくは特有のにおいがあるので、食べるタイミングを考えてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、浸けにんにくや黒にんにくは、そのまま調理するにんにくより気になりにくいです。また最近では、においを抑えたにんにくなども売られています。 夏場は特に、私もにんにくを摂り入れるようにしておりますが、しばらく食べない時と比べて疲労感が違うと感じます。にんにくをあまり食べない方は、是非騙されたと思って摂り入れてみてくださいね。
※3 ビタミンCを多く含む食材や抗酸化力をもつ食材 パプリカ、じゃがいも、かぼちゃ、ブロッコリー、パセリ、キウイフルーツ、アセロラ、いちごなど
材料は・鶏肉・玉ねぎ・ナス・ズッキーニ・パプリカ・トマト缶・にんにく・白ワイン・オリーブオイル・塩・胡椒など お好みでセロリやローリエ、バジルなどを使用しても香りが出ておすすめです。 炒めて煮るだけの簡単お料理です。 本来ラタトゥイユは野菜の煮込み(トゥイエは混ぜる)という意味ですが、そこに鶏肉も一緒に入れることでメインを別に作らなくても栄養素のつまった一品になります。 夏バテを感じているときに、キッチンに立つのは辛いこともあると思います。 多めに作って、次の日にチーズやカレー粉などを加えてアレンジをすることもできますし、上手に時間の節約をして栄養素はしっかり摂り入れましょう。
秋は気温差も生じやすい季節で、これから肌寒く感じる日も出てくると思います、身体の冷えが気になる方は夏野菜を減らしてかぼちゃなどをプラスするのもおすすめです。是非体調に合わせてアレンジしてみてくださいね。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/11/13 17:15:11
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