JKA日本くらし薬膳協会
AGEがたまると老ける!~糖化によりたまるAGE、老化だけでなく、病気のリスクにも…糖化を抑制し老化速度を落としましょう。~【吉田管理栄養士】

AGEがたまると老ける!~糖化によりたまるAGE、老化だけでなく、病気のリスクにも…糖化を抑制し老化速度を落としましょう。~【吉田管理栄養士】

糖化、AGEという言葉ですが、TVや雑誌、SNSなどで取り上げられ聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 体の酸化、老化予防としては、抗酸化力を持つ食べ物や栄養素を摂り入れたり、紫外線対策をしたりなど、意識して日常で気を付けられている方も多くいらっしゃると思いますが、糖化についてはいかがでしょうか。   酸化は体のサビ、糖化は体のコゲというふうに考えていただくとわかりやすいと思いますが、体の老化予防、病気予防のためには、この糖化を抑制しAGEを蓄積させないことが非常に大切です。 もちろん老化を止めることはできないですが、老化速度には個人差がありますよね。 老化速度を速めてしまう、その原因のひとつとして糖化(AGE生成)は注目すべき現象です。 今回は糖化とは(AGE生成)と、その対策について、解説いたします。

AGEとは

 

AGE=Advanced Glycation End Productsを略したもので、日本語で終末糖化産物といいます。
糖化は糖+たんぱく質+熱による化学反応で、たんぱく質に糖がくっついた状態「AGE」ができるというわけですが、このAGEは、体内でもつくられ、また、食べ物自体によっても取り込まれてしまいます。
体内のAGEについては、人の体はたんぱく質でできているため、血糖、体温により、「糖+たんぱく質+熱」の化学反応が起きてしまうのです。血中の糖が多くなりすぎることで、たんぱく質でできた細胞や組織にくっついて糖化します。(AGE生成)
食べ物については、わかりやすく、よく例えられる食品がパンケーキ。
パンケーキは小麦粉(糖質)、砂糖、卵(たんぱく質)などを主な材料とし、加熱して、おいしそうなきつね色に仕上げますが、このきつね色部分、焦げた部分こそが糖化です。(AGE生成)

体内でつくられてしまうAGEも、食べ物で摂取したAGEも、量が多くなければ人の体は対処できます。そうでなければたんぱく質の変性が進み過ぎて、今もっと恐ろしいことになっているでしょう。
ですが生活習慣や、食品の選択によって、AGEがたまりやすい体、過剰なAGE摂取をしてしまうことで、老化だけでなく、様々な健康障害のリスクを高めることになるのです。

AGEがたまると老ける!~糖化によりたまるAGE、老化だけでなく、病気のリスクにも…糖化を抑制し老化速度を落としましょう。~【吉田管理栄養士】

 

AGEが体にたまると

糖化はたんぱく質を変性させてしまうことなので、人の体でたんぱく質である部分すべてに影響を及ぼします。
脳、内臓、酵素などの内側、皮膚や髪など外側の老化につながり、具体的には以下のような状態を引き起こしやすくします。

内臓や血管の炎症、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、骨粗しょう症、白内障、アルツハイマー、がんなど
また身近に感じやすいところでは、しみ、しわ、肌や髪のハリやツヤ、白髪、薄毛などにも影響を与えます

 

AGEが多い食品とAGEを増やす行動

・喫煙
・揚げ物、インスタント食品、スナック菓子、ファーストフードなどをよく食べる
・過度な飲酒習慣
・血糖値が高い
・過剰な糖質摂取(清涼飲料水、菓子、白米大盛りなど)
・血糖値を急上昇させやすい食べ方をしている
・野菜や海藻類をあまり摂らない
・過剰に紫外線を浴びる
など

 

AGEを増やさないためのポイント

上記の行動を控えることで、AGEがたまりにくくなることはおわかりかと思います。とくに余分な糖は糖化促進の原因となるため注意しましょう。
以下のポイントは糖化だけでなく、身体の様々な負担軽減にもつながります。

●血糖値を急上昇させない
→以前のコラムに詳細を載せています。

●高温調理より→低温調理
→揚げる>炒める>焼く>煮る>蒸す・茹でる>生 の順でAGEが生成されにくくなります。
また、長時間加熱をしないこともポイントです。油は沸点が高いため、油を使用した加熱料理が重ならないように、水を使った調理か生の食材を組み合わせると良いですね。少量の水と食品から出る水分を使って炒めるウォーターソテーも◎

●AGE抑制が期待できる食材を摂る
◆スルフォラファン(ブロッコリースプラウトが◎)
→以前のコラムに詳細を載せています。
◆キチン・キトサン(きのこ、えび、かになど、とくにマイタケが◎)
◆カテキン(緑茶が◎)
◆クエン酸(酢やレモンが◎)

 

~ おすすめメニュー ~

・きのこのマリネ
きのこをウォーターソテーしてマリネにすると◎

・シュリンプサンド
スプラウト、たまねぎ、ボイルえび、ゆでたまご、チーズ、アボカド、などの具材を全粒粉パンでサンドすればバランスも◎
ただし、アボカドはそれ自体にAGEが多く含まれるといわれております。量に気を付けたり、レモンで和えたりすると◎

・緑茶ミルク
粉末茶を用意しておけば、お湯で溶くもよし、牛乳や豆乳でホット緑茶ミルクにするもよし、朝食時やおやつにも◎

いかがでしたか。
病気が気になる方はもちろん、頭髪や肌の健康が気になる方は、AGE対策から意識してみませんか。
紫外線対策、保湿など外側からのケアも大切ですが、髪や肌はたんぱく質でできていますので、その材料となる食事、材料を分解、吸収、生成する機能のケアも怠らないよう気を付けていきたいですね。質の良い食事、睡眠を意識し、老化速度を緩めていきましょう。老化速度が緩まれば、病気予防にもつながりますよ。

 

 

吉田 桃子/Momoko Yoshida
管理栄養士 
くらし薬膳 栄養アドバイザー

 

最終更新日:2024/11/14 17:13:52