日本くらし薬膳協会のSNSもよろしくお願いいたします
AGE=Advanced Glycation End Productsを略したもので、日本語で終末糖化産物といいます。 糖化は糖+たんぱく質+熱による化学反応で、たんぱく質に糖がくっついた状態「AGE」ができるというわけですが、このAGEは、体内でもつくられ、また、食べ物自体によっても取り込まれてしまいます。 体内のAGEについては、人の体はたんぱく質でできているため、血糖、体温により、「糖+たんぱく質+熱」の化学反応が起きてしまうのです。血中の糖が多くなりすぎることで、たんぱく質でできた細胞や組織にくっついて糖化します。(AGE生成) 食べ物については、わかりやすく、よく例えられる食品がパンケーキ。 パンケーキは小麦粉(糖質)、砂糖、卵(たんぱく質)などを主な材料とし、加熱して、おいしそうなきつね色に仕上げますが、このきつね色部分、焦げた部分こそが糖化です。(AGE生成)
体内でつくられてしまうAGEも、食べ物で摂取したAGEも、量が多くなければ人の体は対処できます。そうでなければたんぱく質の変性が進み過ぎて、今もっと恐ろしいことになっているでしょう。 ですが生活習慣や、食品の選択によって、AGEがたまりやすい体、過剰なAGE摂取をしてしまうことで、老化だけでなく、様々な健康障害のリスクを高めることになるのです。
糖化はたんぱく質を変性させてしまうことなので、人の体でたんぱく質である部分すべてに影響を及ぼします。 脳、内臓、酵素などの内側、皮膚や髪など外側の老化につながり、具体的には以下のような状態を引き起こしやすくします。
内臓や血管の炎症、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、骨粗しょう症、白内障、アルツハイマー、がんなど また身近に感じやすいところでは、しみ、しわ、肌や髪のハリやツヤ、白髪、薄毛などにも影響を与えます。
・喫煙 ・揚げ物、インスタント食品、スナック菓子、ファーストフードなどをよく食べる ・過度な飲酒習慣 ・血糖値が高い ・過剰な糖質摂取(清涼飲料水、菓子、白米大盛りなど) ・血糖値を急上昇させやすい食べ方をしている ・野菜や海藻類をあまり摂らない ・過剰に紫外線を浴びる など
上記の行動を控えることで、AGEがたまりにくくなることはおわかりかと思います。とくに余分な糖は糖化促進の原因となるため注意しましょう。 以下のポイントは糖化だけでなく、身体の様々な負担軽減にもつながります。
●血糖値を急上昇させない →以前のコラムに詳細を載せています。
●高温調理より→低温調理 →揚げる>炒める>焼く>煮る>蒸す・茹でる>生 の順でAGEが生成されにくくなります。 また、長時間加熱をしないこともポイントです。油は沸点が高いため、油を使用した加熱料理が重ならないように、水を使った調理か生の食材を組み合わせると良いですね。少量の水と食品から出る水分を使って炒めるウォーターソテーも◎
●AGE抑制が期待できる食材を摂る ◆スルフォラファン(ブロッコリースプラウトが◎) →以前のコラムに詳細を載せています。 ◆キチン・キトサン(きのこ、えび、かになど、とくにマイタケが◎) ◆カテキン(緑茶が◎) ◆クエン酸(酢やレモンが◎)
・きのこのマリネ きのこをウォーターソテーしてマリネにすると◎
・シュリンプサンド スプラウト、たまねぎ、ボイルえび、ゆでたまご、チーズ、アボカド、などの具材を全粒粉パンでサンドすればバランスも◎ ただし、アボカドはそれ自体にAGEが多く含まれるといわれております。量に気を付けたり、レモンで和えたりすると◎
・緑茶ミルク 粉末茶を用意しておけば、お湯で溶くもよし、牛乳や豆乳でホット緑茶ミルクにするもよし、朝食時やおやつにも◎
いかがでしたか。 病気が気になる方はもちろん、頭髪や肌の健康が気になる方は、AGE対策から意識してみませんか。 紫外線対策、保湿など外側からのケアも大切ですが、髪や肌はたんぱく質でできていますので、その材料となる食事、材料を分解、吸収、生成する機能のケアも怠らないよう気を付けていきたいですね。質の良い食事、睡眠を意識し、老化速度を緩めていきましょう。老化速度が緩まれば、病気予防にもつながりますよ。
吉田 桃子/Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/11/14 17:13:52
©2024 kurashi-yakuzen.net