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日本では、1983年に10月1日をコーヒーの日として全日本コーヒー協会が定めており、各国でもコーヒーの日は存在していたようですが、国際コーヒー機関によって、2015年10月1日が国際コーヒーの日と承認されました。元々日本は国際コーヒー機関に加盟しておりませんでしたが、同じ日にちに制定されたことで、日本のコーヒー協会は喜ばれたそうです。
コーヒーやコーヒーに関わる人たちのお祝いする日とされ、関連企業がイベントやキャンペーンを行っております。 ではなぜ10月1日なのでしょうか。 これは、日本の場合は、秋になりこれから温かい飲み物がよく飲まれるようになる季節で、コーヒーの需要が高まるといったことが由来しているそうです。また、ブラジルはコーヒーの生産量が多いことが有名ですが、収穫・出荷のサイクルにより、コーヒーの農業年度が10月はじまりであるということから、10月1日となった由来となっております。
ポリフェノールが抗酸化力をもつことは他のコラムでもお伝えしたことがございますが、コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールが含まれます。
期待できる効果 ・アンチエイジング ・動脈硬化、糖尿病、肝臓がんなどのリスクを予防 ・脂肪分解 ・抗菌作用 ・抗ウイルス作用 など
コーヒーは焙煎することによって、香りが生まれます。コーヒーの香り成分はひとつではなく、何百種類もあり、風味に影響しているものは数十種類だそうです。 この香りの実験では、脳のα波を上昇させることがわかっており、リラックス効果が期待できます。 ストレスやイライラしたときにはもちろん、脳の働きの活性化、また防臭効果、口臭予防にも役立ちます。
カフェイン
一番注目したい成分です。カフェインはコーヒー以外にも緑茶、紅茶、ウーロン茶、その他お茶、コーラ、エナジードリンクなどに含まれておりますが、嬉しい効果もある反面、時には嬉しくない効果もあります。
カフェインがもたらす作用 ・眠気防止 ・疲労減少 ・利尿 ・脂肪燃焼促進 ・血流促進 ・気管支拡張 ・胃酸分泌促進
カフェインは脳の中枢神経を刺激することで覚醒作用、集中力UPや記憶力UPの効果が期待できますので、朝や、休憩時ひと休みしてまた仕事、というときには最適な飲み物といえます。 ですが、胃酸分泌を促進する働きがあるため、空きっ腹で飲んでしまうと、胃の不調につながる場合があります。食後やおやつと一緒に、またはミルクなどを入れて楽しむことをおすすめ致します。 また、カフェインの過剰摂取=中枢神経を過剰刺激は心拍数の増加、不安感、めまい、不眠などを引き起こしてしまう可能性がありますので適量にしましょう。
これは個人差もあり一概には言えませんが、普段日常的に飲まれる方は多くても1日3杯くらいまでがおすすめです。 欧州食品安全機関(EFSA)では安全とみなしたカフェイン摂取量は健康な成人で以下の通り。
◆1回に摂るカフェイン量3mg/体重1kg 例)体重50kgの人で1回150mg コーヒーだと2杯くらいまで
◆1日に摂るカフェイン量5.7mg/体重1kg 例)体重50kgの人で1日285mg コーヒーだと4杯くらいまで
カフェインを排出する力が弱い方や作用が強く表れやすい方などは、この目安に限らず、ご自身で調整することが大切です。私自身、カフェインの影響を受けやすい体質ですので、なるべく午後はノンカフェイン(カフェインを全く含まない)、カフェインレスやデカフェ(カフェインを90%以上除去)のものを選んだりして意識をしております。飲みなれない方はこのように工夫されると良いですね。 カフェインの血中濃度は4~6時間で半減するといわれており、これも個人差がありますが、カフェインを摂る際は、時間を空けることも考慮することをおすすめ致します。また、お子様や妊婦の方もカフェインはあまり多く摂らない方が良いですね。
(参考)食品中のカフェイン濃度
(引用元:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html)
最近の缶やペットボトルのエナジードリンクなどには、特に注意が必要です。 カフェインに限らず、商品に記載されている成分は100mLあたりの量で記載されていることが多く、実際に一本飲み干した場合は、何倍もの量となることもあります。 気づかずに大量にカフェインを継続的に摂取していて、最悪の場合、中毒なんてことにならないように、ご自身だけでなく、是非周りの方にも注意を向けてあげて頂きたいと思います。
●カフェラテ派は牛乳または豆乳がおすすめ コーヒーフレッシュにトランス脂肪酸が含まれます。ひとつに含まれる量はさほど多くはないですし、最近ではトランス脂肪酸ゼロの商品などもありますが、可能でしたら、たんぱく質など他の栄養素がプラスで摂れる牛乳か豆乳がおすすめです。
●甘党さんはハチミツや黒糖をプラス 精製された砂糖よりも、ハチミツや黒糖を入れることで、ポリフェノールやミネラルなど甘さを味わいながら、嬉しい栄養素を摂り入れることができます。
●シナモンを入れてさらに健康効果UP シナモンには血行を良くしたり、血糖値抑制作用などがあるといわれております。
薬膳からみてもコーヒーは安神、利水、解酒毒などの力を持ち、心を落ち着ける、水分代謝促進、二日酔い予防など、栄養学と同じように効能をもつと考えられています。 コーヒーは、豆の種類や淹れ方によっても苦みを強くしたり、軽めにしたり、トッピングでお好みに合わせて様々にアレンジも楽しめる飲み物です。カフェインがもたらす作用を考慮しつつ、体質や体調に合わせて上手にコーヒーを利用して、ほっと癒される時間をつくれると良いですね。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/10/24 17:24:38
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