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スーパーに並んでいるアボカドは90%以上が輸入もので、旬というのはとくにないといえますが、輸入もののアボカドは、春~初夏にかけてが油分が多くクリーミーなもの、夏以降~10月頃のものは油分が少なめになるといわれております。また国産のアボカドは和歌山、愛媛などで収穫され、旬は10月下旬~1月頃とされています。
アボカドがお好きな方は選び方についてもうご存知のことも多いかと思いますが、よく選んだつもりでも失敗してしまう方、タイミングが合わず、熟していなかった、熟しすぎてしまった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。食べる予定の日に合わせた選び方など様々なポイントを挙げますので、是非確認してみてくださいね
◆緑 まだ未熟、3日~10日くらい室温保存(14度~24度)が◎ 低温すぎても高温すぎても× ◆濃い緑 2日~3日室温保存が◎それ以上は熟れすぎてしまうかもしれません。 ◆ほぼ黒(こげ茶っぽい) その日が食べごろ。すぐに食べられない場合は冷蔵保存が◎ ◆真っ黒 かなり熟した状態。
ヘタがついていて、しわがなく、皮が浮いていないもの、ハリのあるきれいな形が◎
押したりせず普通に持ち、硬すぎず、軽くにぎったときに弾力があり、少し柔らかさを感じるものが食べ頃。このご時世なので直にさわらずポリ袋などを使って確認するか、目を凝らして見た目でしっかり判断できると良いですね。
水に浸したキッチンペーパーなどにくるみ、1分ほどレンチンをすると◎ チーズ焼きなど、加熱料理に使用するのも良いですね。
追熟が進みすぎると、実の筋が黒くなりますが、部分的な変色であり全体が緑で、実が茶色く、ぐずぐずになっていなければ食べることはできます。 ただ、カットしたときにきれいな形を保てず、グニャッとなってしまいますので、混ぜて調理するディップや、ワカモレ、ポテトサラダに混ぜたりすると良いですね。
アボカドは品物によってはかなり大きいものもありますよね。変色するのでなるべく一度に使いたいと思いつつ、一人暮らしや二人暮らしの場合、食べきれない場合もあると思います。
【変色を極力防ぐ二つの方法】 ①半分に切った種がついているほうを残すようにします。そこにレモン汁や酢を塗ってラップでピタっとくるんで冷蔵または冷凍保存。さらにジップロックやタッパーなどに入れると酸化しにくくなります。
②半分に切って種を取り、15秒ほどレンチンし、タッパーにいれて冷蔵保存。
私は夜に使用した場合は次の日の朝に納豆に混ぜて食べたりしています。冷蔵保存の場合長くても2日程度で食べるのがおすすめですよ。
アボカドは「森のバター」と呼ばれていることをご存じの方もいらっしゃると思います。脂質が多いというイメージがわくと思いますが、アボカドに含まれる脂質は植物性油脂であるため、動物性脂肪のバターより身体にやさしいといえます。 また抗酸化作用のある成分を豊富に含むため美容、健康に役立ちます。
アボカドに含まれる主な栄養素
①オレイン酸(不飽和脂肪酸) 血中のLDL(悪玉)コレステロールを下げる働きがあるといわれており、動脈硬化予防、心疾患予防なども期待できます。またオレイン酸は酸化されにくいという特徴もあります。脂質については以前のコラム「あぶらのおはなし~その②脂肪酸のはたらきと食品」で詳しくご紹介させていただいております。
②ビタミンE アボカド1/2個約70gに対し、2.3mgのビタミンEが含まれています。ビタミンEは高い抗酸化力を持ち、お肌の健康や美容、免疫力UPやがん予防の働きなどが期待できます。また細胞内に過酸化脂質(※1)がつくられるのを抑制します。(※1過酸化脂質…細胞内の不飽和脂肪酸が酸化し、動脈硬化や皮膚の老化の原因となる。)
(日本人の食事摂取基準2020年版厚生労働省より)
おおよそですが、アボカド半分で一日分の1/3以上のビタミンE摂取ができるといえます。
③カリウム アボカド1/2個約70gに対し、410mgのカリウムが含まれています。アボカドは水にさらしたり、茹でる調理などをせず生で食すことが多いのでカリウムの流出も抑えられるといえます。血圧やむくみ対策には欠かせないミネラルです。 カリウムの食事摂取基準は 成人男性で目安量2500mg 目標量3000mg以上 成人女性で目安量2000mg 目標量2600mg以上
④食物繊維 アボカド1/2個約70gに対し、3.9gの食物繊維が含まれています。これはバナナ70gに含まれる0.8gよりはるかに多く、ゴボウとほぼ同量が含まれることからかなり豊富であることがわかります。ゴボウよりも調理が簡単で硬さなど食べやすさからも摂り入れやすいのではないでしょうか。 食物繊維は腸内環境を整えるほか血糖の上昇をゆるやかにし、中性脂肪対策などにもつながります。 一日の食物繊維摂取の目標量は成人男性で21g以上、成人女性は18g以上です。日本人は不足気味というデータがありますので、意識して摂ることをおすすめします。
⑤グルタチオン あまり耳にしたことがない方も多いのではないでしょうか。グルタチオンは3つのアミノ酸が結合してできたペプチドという化合物で、私たちの身体に存在しています。 抗酸化力をもち、活性酸素から守る働きのほか、解毒作用促進で肝機能を高める働きがあるといわれております。
これら以外にもビタミンAやビタミンB群など、私たちの健康や美容に役立ってくれる成分が豊富に含まれます。
アボカドは、そのままわさび醤油などでシンプルに食べるのも美味しいですが、ワカモレ(※2)やまぐろアボカド(※3)など優秀な食材と組み合わせることで相乗効果が期待できます。 美容から、健康、疲労回復、肝臓サポートまで、優秀なアボカドをぜひ色んな食べ方で楽しまれてみてくださいね。
(※2 ワカモレ) たまねぎ・トマト・レモン汁、お好みで塩、こしょう、タバスコなどの調味料で味付けし混ぜ合わせます。 ビタミンCやリコピンなどさらに抗酸化力がUPし、夏にもぴったりのレシピです。ディップとして野菜につけたり、タコスの具材として、またはそのままサラダとして楽しむこともできます。
(※3まぐろアボカド) これは定番のレシピといえますが、ワカモレ同様、カットして和えるだけで、プラス一品のおかずや、お酒のおとも、丼ぶりにしてがっつりと、など年齢問わず楽しめます。 DHA、EPAの効果はもちろん、過酸化脂質を防ぐ成分を含むアボカドとの相性はばっちりです。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/11/06 17:30:19
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