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私は毎日ではないですが「食べたいな」という気持ちになった時に果物を食べています。
お野菜などは食事を作る際に必須なので、自然と、バランスや旬を考えて手に取りますが、私の場合、果物に関しては気分重視です。
気分というのは様々で、普段は全く食べたいと思わないのに、突然、無性に「バナナが食べたい!」と思ったり「旬の果物が並んでいるなー。美味しそうだなー」とか「なんとなく栄養素が不足している気がする」とか「夢に出てきたから食べたくなった」という単純なきっかけだったりします。
厚生労働省と農林水産省が作成している食事バランスガイドには「果物は一日200g摂りましょう」とあるので、あまり気分気分と声を大にしては言えないのですが、足りない栄養素を身体が欲しているかは定かでないにしろ、食べたい時に食べるというのは、精神的に良いこともあり、気分を大切にしてみたりします。
私のように、気分で摂り入れているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 もしかしたら、全く食べないという方もいらっしゃるかもしれませんね。アレルギーがあったり、果物を苦手な方もいるでしょう。 もちろん、無理して食べる必要はないですし、食べないからといって健康に害を及ぼすわけでもありません。 ただ「最近果物を食べていないな。たまに摂り入れても良いな」と、思い出すきっかけになればと思い、今回は旬の果物のお話をします。
果物全体の魅力としてはざっくりと、食事では摂りきれない栄養素を補うことができ、健康や美容に役立つといったところですね。 私は果物全般を好きなのですが、自分で買う際には、バナナ・キウイ・イチゴ・アボカド・パイナップル・桃・柿・みかんなどを季節や気分で食べています。
原産は中国で「チャイニーズ・グーズベリー」という名前で呼ばれていましたが、後にニュージーランドへ伝わり、ニュージーランドの国鳥キウイバードにちなんで「キウイフルーツ」の名前で生産、輸出されていきました。そして輸出業者が増え、価格競争が始まり、生産者が窓口を一本化にするため「ニュージーランド・キウイフルーツ・マーケティングボード」という組織が設立されました。これがキウイフルーツといえば「ゼスプリ」のルーツであり、1997年にニュージーランドのキウイフルーツのブランドネームとして「ゼスプリ」が命名されました。
年中出回っているイメージですが、国産のキウイフルーツの旬は1月~3月(10月~12月)(*注1)*注1)種類や産地によって異なりますが、10月~12月あたりに収穫され、追熟する果実であるため、出回る量が増える12月~3月を旬としているようです。 日本では愛媛・福岡・和歌山で多く収穫され、海外ではニュージーランド・チリ・アメリカなどで生産されています。ちなみにゼスプリの契約農家さんが愛媛・佐賀・宮城にあります。
ヘイワード(グリーンキウイのほとんどはこちら)ゴールデンキウイ(ほとんどがゼスプリが生産しているゼスプリ・ゴールド、サンゴールド)香緑さぬきゴールドレッドキウイアップルキウイベビーキウイなど、実は豊富に種類があります。店頭に並んでいるのは上の二つが多いです。
抗酸化作用のある水溶性ビタミン。身体のサビ予防で、美容・アンチエイジング、また免疫UPなどに役立ちます。水溶性なので一度にたくさん摂取しても余分なビタミンCは排出され、また加熱にも弱いことが特徴です。キウイに含まれるビタミンCは100gあたり100mg前後(*注2)とかなり豊富です。また生食できるので、効率良くビタミンC補給ができます。*注2)ゼスプリのサンゴールドは、他のキウイより比較的多くビタミンCが含まれ、100gあたり約161mgと言われています。ちなみにレモンに含まれるビタミンCは100gあたり約20mgです。一日のビタミンC摂取推奨量は100mgです。
抗酸化作用のある脂溶性ビタミン。ビタミンCと違い、蓄積されるビタミンですが、普段の食生活で過剰症にはなりにくいと言われています。ただサプリメントや薬など、しっかり摂れるものなどでは重複しないように気を付けましょう。細胞膜に存在し、過酸化脂質の生成抑制、身体のサビ予防で美容・アンチエイジングに役立ちます。また毛細血管の拡張作用があるともいわれ、末端の冷え性改善にもおすすめの栄養素です。一日の摂取目安は成人男性6.5mg・成人女性6mgで、キウイでは100gあたり約1.3mg含まれます。
カリウムはナトリウムとバランスをとり、細胞の浸透圧を維持しています。またナトリウムの再吸収抑制、尿中への排泄促進作用もあり、高血圧予防につながります。他にも、神経や筋肉の作用にも関わり、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。普通の食事では欠乏や過剰になることはあまり考えられませんが、野菜や果物をほとんど摂らないような偏った食事や欠食の方は、カリウム低下で脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの原因になりますので気を付けましょう。また腎機能障害などがある場合は、カリウム制限など、調整が必要になることがあるため、注意が必要です。
キウイフルーツには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方、しかもバランス良く含まれています。水溶性の食物繊維は善玉菌のえさとなり、不溶性食物繊維は便のかさを増してくれます。また最近注目されている酪酸は、食物繊維が分解されて作られる短鎖脂肪酸の一種で、 ・腸のエネルギー源となる ・動きを活発にする ・免疫コントロール ・善玉菌が定着しやすい環境になる など様々な作用があると言われています。しっかり食物繊維をとることで、お通じのことだけでなく様々な影響があると言えます。ゴールドよりグリーンの方が多く食物繊維が含まれるようです。 酵素アクチニジンという酵素が含まれ、たんぱく質分解作用があり、肉、魚などのたんぱく質の消化促進が期待できます。たんぱく質が多い食事になった時にはキウイフルーツを一緒に食べるよう意識してみるのも良いですね。これもゴールドよりグリーンの方が多く酵素が含まれるようです。
アクチニジンという酵素が含まれ、たんぱく質分解作用があり、肉、魚などのたんぱく質の消化促進が期待できます。たんぱく質が多い食事になった時にはキウイフルーツを一緒に食べるよう意識してみるのも良いですね。これもゴールドよりグリーンの方が多く酵素が含まれるようです。
いかがでしたか? キウイフルーツは簡単に食べることもできますし、サラダにトッピングして鮮やかなグリーンやイエローできれいに食卓を演出してみたり、ジュースにしたり、ヨーグルトに混ぜたり、楽しみ方は色々ありますね。ヨーグルトと組み合わせると乳酸菌も食物繊維も摂れてお腹に嬉しい効果が得られそうです。
もちろんこれも人によるので、体調に合わせて、これだけにこだわらず、その時々で組み合わせるものや調理法を選択してみましょう。
吉田 桃子/Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/10/22 14:51:55
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