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冬の肩こり対策~冷えからくる肩こり、内側からもケアしましょう~[吉田管理栄養士]

冬の肩こり対策~冷えからくる肩こり、内側からもケアしましょう~[吉田管理栄養士]

寒い季節となりましたね。 寒くなるととくに首や肩がこりやすくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 人の頭の重さは約5~6kgあるといわれ、首や肩にかなり負担がかかっていることは容易に想像がつきますが、とくに日本人は肩こりに悩まれる方が多く、身体の悩みとして女性が1位、男性は2位と報告されているようです。 私もわりと日々肩こりを感じやすいタイプで、最近は整体を利用したりもするのですが、普段はなるべく身体を冷やさないように気をつけたり、こまめに首まわりや肩まわりを動かすようにしたり、入浴やストレッチをしてその日のコリはその日のうちに解消するように心がけております。たまにさぼってしまう日もありますが、そうするとどんどん疲労が蓄積されてしまう気がしますし、ちょっとしたことですが、ケアをして翌日を迎えるのとケアしないで翌日を迎えるのとでは、身体のだるさも全然違います。 肩こりの原因は様々ですが、今回は日常の疲れ対策や冷える日の首や肩のこり対策を簡単にできるケアと食べ物についてご紹介させて頂きます。

肩こりとは


首や肩、背中などの筋肉がこわばった感じや、張ったような感じや重苦しさ、痛みを感じる症状のことですが、ひどい場合には頭痛や吐き気まで伴ってしまう方もいらっしゃいます。
肩こりを感じやすい方は、たくさんいらっしゃるかと思いますが、当たり前のようになっていたり、つらさをあまりわかってもらえなかったり、地味につらいものです。

 

肩こりの原因


・デスクワークなど長時間同じ姿勢でいる
・パソコンなどで目を酷使する
・バッグなどをずっと片方の手で持つ
・姿勢が良くない
・運動不足
・ストレスや緊張がある
・寒さや身体の冷えがある

日常ではこのようなことが原因として考えられますが、いずれも筋肉の緊張が続き、筋肉が硬くなることで血流が悪くなり、さらに血管も圧迫され悪循環で肩こりとなるようです。
他にも高血圧や狭心症、貧血などの疾患や頸椎や肩関節など整形外科的な疾患によって起こってしまう肩こりもあるため、心配な方は医師の診察を受けましょう。

肩こり予防

様々な予防法がありますが、日常的なことが原因で起こってしまう肩こりについて、ちょっとした心がけで予防できる方法をいくつかピックアップします。

・姿勢を見直しましょう
肩に力が入りすぎていませんか?猫背にはなっていませんか?気を付けていても、つい悪い姿勢になってしまうこともあるかと思います。
気づいて姿勢を正せる時間が多くなるように意識しましょう。腹筋が弱いことも姿勢の悪さを作る原因になります。

・パソコンなど同じ姿勢で作業を行うときはこまめなストレッチを
オフィスなどで大きな動きをとることができなくても、定期的に首を回したり腕を伸ばしたり、可能であれば肩甲骨を動かすように肩を回したりしましょう。

冬の肩こり対策~冷えからくる肩こり、内側からもケアしましょう~[吉田管理栄養士]

・目の疲れによって頭や首に疲れが出る方は目のケアを
PC用メガネを使用したり、少し目をつむる時間をつくるようにしましょう。
目をつむるのが難しい方は外を見たり、視線をパソコンから離すと◎。
こめかみあたりをやさしくマッサージしたり、目の乾燥を感じる場合は目薬を利用するのも良いですね。

・身体を冷やさないようにしましょう
これからの時期は冷やさないことがとても大切です。肩こりは血行の悪さが大敵です。ストレッチなどで身体を温めることはもちろんですが、入浴剤などを使用してお風呂でしっかり温まるようにしたり、足首や手首、首元を冷やさないように表面の寒さ対策や、体の内側(食べ物での)から冷やさない対策も大切です。

 

肩こり対策に役立つ食べ物

●疲労対策にビタミンB群、クエン酸

 

ビタミンB
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのを助ける働きがあるため、不足すると疲労しやすくなります。またビタミンB2は脂質代謝、B6はたんぱく質代謝に関わり、ビタミンB群は一緒に摂ることで相乗効果があるため、単体ではなく一緒に摂ることがおすすめです。
《豚肉、玄米、うなぎ、鮭、納豆など》

クエン酸
人のエネルギーはクエン酸サイクルという回路(工場みたいなもの)で糖質や脂質、たんぱく質から作り出されています。この回路がしっかり稼働することでエネルギーが作られやすくなり疲労回復につながります。

クエン酸を摂ることで
・クエン酸回路を活発化する
・身体が酸性に傾くことを防ぎ弱アルカリ性を保ちやすくなる(※1)
・カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルの吸収を助けてくれる
《レモン、みかん、梅干し、酢など》

(※1)人の身体は中性に近い弱アルカリ性に保たれていますが、病気以外でも食べ物やストレスなどでほんの少し酸性に傾いてしまうこともあります。酸性に傾くと免疫力の低下や疲労感につながることもあります。

 

●血流対策にビタミンE


ビタミンEは毛細血管を広げる作用があり、血行改善に役立ちます。また抗酸化作用も持つため細胞のダメージ予防、老化予防などの効果も期待できます。
《アーモンド、アボカド、うなぎなど》

●目の疲れ予防にはビタミンAやアントシアニン

パソコンやスマホを集中して見ることで、無意識に瞬きの回数が減り、目が乾きしょぼしょぼしたり角膜が傷つきやすくなったりします。またピントを合わせるときに毛様体筋という筋肉が使われますが、パソコンなど近くのものを見るときにはこの筋肉の緊張状態が続き、負担がかかることで、目の重さや目の奥が痛むといった眼精疲労の原因となります。

ビタミンA
皮膚や粘膜の健康に役立ち、ドライアイなど目の乾燥予防にも良いといえます。またうす暗いところでも目が見えるように働くロドプシンの再合成にも関わります。
《うなぎ、レバー、たまご、にんじん、ほうれん草、小松菜》

アントシアニン
ロドプシン再合成の活性化や抗酸化作用をもち、目の健康に役立ちます。
《ブルーベリー、黒豆、黒ゴマなど》

 

薬膳で身体を温める食材を


冷えが肩こりを悪化させている場合は、薬膳でいう温熱性や散寒など身体を温める食べ物を摂って、内側から温めることも大切です。
《生姜、ネギ、ニラ、大葉、黒砂糖、シナモン、酢など》
また活血といって、血のめぐりをよくしてくれる食べ物にはうなぎ、鮭、黒豆や黒砂糖、シナモン、酢などがあります。


~ おすすめメニュー ~
☆キャロットラペ☆

【材料】
・人参
・オリーブオイル
・アーモンドやくるみ(お好みのナッツ)
・レーズンなどドライフルーツ
★リンゴ酢(お好みの酢)
★味付けはお好みではちみつやマスタード、塩コショウで

【作り方】
① 人参は千切りなどお好みの形にカットにしてオリーブオイルでさっと炒めるか和えるなどする。
② ナッツは砕いて、ドライフルーツは大きければカットする。
③ 調味料★と①、②と合わせて出来上がり
お好みで玉ねぎや、黒豆やクコの実、ゴマなども合わせると◎。

冬の肩こり対策~冷えからくる肩こり、内側からもケアしましょう~[吉田管理栄養士]

様々な目線で肩こりや疲労に役立つ食べ物を挙げましたが、共通する食材があるのがわかりますね。
基本的には「バランスの良い食事」が大切ですので、それをベースにしつつ、とくに疲労や肩こり、パソコンを多く使用する方、冷えが気になる方はこれらの食材を意識して摂り入れてみることをおすすめします。
これから冬本番に備えて外側からも内側からも身体をケアして免疫力UPにもつなげていきましょう。

吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士
くらし薬膳 栄養アドバイザー

 

最終更新日:2024/10/29 17:03:32