JKA日本くらし薬膳協会
心地よく過ごすために[吉田管理栄養士]

心地よく過ごすために[吉田管理栄養士]

ダイエットを理解して健康的な身体を手に入れよう

4月はまだ冷える日もありますが、暖かい日も多くなり、お花も咲いて、冬に縮こまった身体も伸びやかになる季節です。

新生活が始まる人や、年度が変わり環境が変わる人も多くなる時期ですね。また今年はウイルスの拡大で思いもよらぬ深刻な状況になってしまい、大きく予定が狂ってしまった方、悲しい思いをしている方がたくさんいらっしゃることに胸が痛みます。

今回は環境の変化や、なかなか収束しないウイルスに負けない身体になるように、鬱々とした気持ちにならないように「ダイエット」をキーワードに、お話したいと思います。

 

ダイエットの本来の意味は?

ほとんどの方は「ダイエット=痩せる、体重を減らす」と思っているのではないでしょうか。私自身も、分かりやすい表現なので「痩せる」という意味で「ダイエット」という言葉を使うことはあります。

ただ、ダイエット(diet)は単に「痩せる」という意味ではなく、英語での意味は【日常的な飲食物】【規定食】となります。

「食事の調整をすることで適正な体重にする(肥満の方も痩身の方も適正な体重へ)」という意味として、あくまでも健康的な身体を目指すものとして理解していけると良いですね。

 

適正体重について

これはご存知の方も多いと思いますが、国際的な標準指標であるBMIBody Mass Index)を用います。

ご自身の身長と体重から算出する数値で、男女とも「22」が糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)などの疾病に最もかかりにくい数値と言われています。もちろん体質など、人にもよりますし、またBMIは簡単に計算されたもので、筋肉量や脂肪量によっても異なってきますので、あくまでも一つの目安として知っておくと良いですね。

BMIの計算方法

[体重(kg)÷[身長(m)2

例)身長160cm 体重60kgの場合

   60kg /(1.60m × 1.60m)= 23.4375  もしくは60÷1.6÷1.6

標準体重の算出

22×身長×身長

例)身長160cm 体重60kgの場合

   22×1.6×1.6=56kg

1. 肥満度分類(日本肥満学会)

心地よく過ごすために[吉田管理栄養士]

1)ただし、肥満(BMI≥25.0)は、医学的に減量を要する状態とは限らない。なお、標準体重(理想体重)はもっとも疾病の少ないBMI22.0を基準として、標準体重(kg)=身長(m)2×22で計算された値とする。
2BMI≥35.0を高度肥満と定義する。(引用元:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)

心地よく過ごすために[吉田管理栄養士]

偏った食生活にならないために

「バランスの良い食事」という言葉を耳にする方も多いと思います。ただ、言葉にするのは簡単で、一体バランス良いとは何なのか、整えていくのも難しいと感じている方もいらっしゃると思います。

普段の食生活で、カロリーや栄養素量を計算していくのもあまり現実的ではないですよね。

あまり難しく考えず、以下のポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

〇通常の食事では一汁三菜を意識する

  ・主食糖質(ごはん、パン、麺類など)を1

  ・主菜たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品などたんぱく源)を1

  ・副菜食物繊維、ビタミンミネラル(根菜も含め、野菜、海藻、きのこ)を2

  ・汁物(具沢山の味噌汁が。えのき、椎茸などきのこが)を11

〇発酵食品(納豆 ヨーグルト 味噌 ぬか漬け ピクルス キムチ 塩麴 など)を摂る

〇揚げ物、お肉が続かないようにする

〇肉と魚は1:1の割合を心がける

〇単品物(丼ぶり、麺、◯◯ライス、など)は避ける ※食べる時はサラダやたんぱく質も一緒に

〇果物をデザートやおやつで食べる

 

これらをベースにして、季節の食材や体調に合わせた食材を選んでいくと良いですね。

今の時期でしたら、果物はいちごやグレープフルーツなど、野菜は春キャベツ、アスパラ、そら豆、たけのこ、山芋、山菜(タラの芽、ふきのとう、こしあぶら、のびるなど)がおすすめです。山芋やアスパラ、そら豆は薬膳では「気を補う食べ物」とされているお野菜ですね。

山菜は苦みがあるのが特徴ですが、デトックス作用、抗酸化作用、精神のリラックス作用などがあり、冬にため込んだ老廃物を出しやすくしたり、ストレスを感じやすい時にもおすすめですので、今の時期にぴったりな食材です。苦みが苦手な方は、しっかりアク抜きをして油と合わせることで和らぎますので、上手に取り入れてみましょう。

 

外側からもケアを

お食事で内側から整えることも大切ですが、健康的な身体・心のためには身体を動かすことも忘れずに。

忙しかったり、運動が苦手だったり、分かってはいてもなかなかできない方も多いのではないでしょうか。

わざわざジムに通ったりしなくても自宅でできることを行い、必要な筋力維持、巡りの良い身体、気分転換を心がけましょう。

今はインターネットで検索すると、おうちで簡単にできるエクササイズも出てきますね。そういったものを参考にしても良いですし、バランスボールやフラフープ、ダンベルくらいならテレビを見ながら、楽しめるのではないでしょうか。

それに加え、今ではフィットネスができるゲームもありますし、おでかけができなくてもこういったものを利用してお子様と楽しむ時間を作っても良いですね。人混みの場所に行かなくても近所をウォーキングしたり、サイクリングしてもこれからの時期は気持ちが良く、リフレッシュできますよね。

「あまり動きたくないな」という気分の時は、入浴剤を入れてゆっくりお風呂に浸かればリラックス、血流改善できますし「ちょっと疲れたな」「イライラしちゃうな」という時は、呼吸に意識を向けてみましょう。ゆっくり腹式呼吸を数回繰り返すことで、副交感神経が優位になりリラックスできます。

 さいごに

「今が丁度良い」「ちょっと増加ぎみかな」「減少気味だな」というのはご自身でも分かると思います。

体重は一つの目安ですが、まずはご自分の身体と向き合い、丁度良いところを目指してみましょう。

増加気味の方も、減少気味の方も、極端に食事量を減らしたり、増やしたりするのではなく、まずは偏らないようにしていくことで、健康的な身体を目指しましょう。

内側から外側から無理なく整えていくことで、ウイルスやストレスに対応できる身体につなげていきたいですね。


吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士 
くらし薬膳 栄養アドバイザー

最終更新日:2024/10/24 12:25:58