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パン食ってどう?~太りやすい?メリット、デメリット、選び方などをご紹介~[吉田管理栄養士]

パン食ってどう?~太りやすい?メリット、デメリット、選び方などをご紹介~[吉田管理栄養士]

朝はパン派ですか?ごはん派ですか?もちろんどちらでもない方や、日によって、という方もいらっしゃるかと思います。 ちなみに私はごはん派なのですが、休日はパン食にすることもあります。

近所の美味しいパン屋さんを見つける楽しみもあり、時々摂り入れるのですが、私の場合はパン食にすると、ごはんのときよりも栄養バランスが取りにくくなるので、習慣的には摂り入れないようにしているというのが正直なところです。
これはただ単に私が和食の方が得意であることや、コスト面なども絡んだ理由からなのですが、もちろん選び方や組み合わせ方によって、バランスを摂ることは可能です。
 
パン食については様々な意見や情報があると思いますが、今回は「健康は気になっているけどパンがやめられない」「パン食によって栄養バランスが崩れてしまっていないか」などパンにまつわる健康のお話をさせて頂きます。

 

パン食のメリット(ごはんと比較)


●手軽に食べられる

コンビニ、スーパー、パン屋さんで買ったものをそのまま食べることができ、常温で良いことや、ものによっては日持ちするためおにぎりよりも食べられるシーンが多いです。
 
●味のバリエーションが豊富
食パンやロールパンなどシンプルなものから、総菜パンや菓子パンなど、食事にもおやつにもなり、選択肢が豊富です。

●炊事が楽
ごはん食はごはんを炊く工程や、おかずの用意(簡単なものもありますが)が必要ですが、パンの場合は種類によってはそのまま、もしくはバターやジャムを塗るだけでも食べることができるため、自然と家事の工程や後片付けが減りやすくなります。
 
●塩分を控えやすい
ごはん食の方がおかずでの塩分は高くなりやすい傾向があり、パン食はごはんよりも塩分を控えやすくなります。ただ、ごはん自体には塩分0なのに対して、パンそのものに塩分は含まれます。総菜パンなども注意です。
 
●忙しい朝も摂り入れやすい
ご飯を用意できず朝食抜きになるより、パンと豆乳などだけでも、エネルギー補給ができたほうが、リズムも整い、お昼のドカ食いや血糖値急上昇を防ぐことができます。個人差はあります。

 

パン食のデメリット(ごはんと比較)

 

●栄養バランスが偏りやすい
手軽に食べれる分、おかずが減りやすくなります。

●食パンのGI値がごはんよりも高い
GI値が高いということは血糖値が急上昇しやすく、太りやすさにつながります。また血糖値の乱高下は精神状態や体調も左右され、仕事などのパフォーマンスなどにも影響が出やすくなります。
 
●脂質や糖質が多くなりやすい
バターやジャムを使用する場合が多く、パン自体にも多く含まれる種類があります(クロワッサンやデニッシュなど)。
また総菜パンや菓子パンの成分表示を見て、大きさのわりに高カロリーであることに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これらのデメリットから、パンが太りやすいといわれる理由につながるかと思います。
また「グルテンフリー」という言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。これはパンだけでなく、小麦粉について摂取を控えることをいいます。
グルテンフリーとはもともと小麦粉に含まれる粘り気、弾力のある成分のことで、水とこねたときにグルテンが形成されます。
元々はこのグルテンに対しアレルギーを起こしてしまう方の症状を抑えるため、体質改善のための「グルテンフリー」という食事方法でしたが、一般の方でもこの食事方法を取り入れることで、実はグルテンが身体に合っていなかったことに気づく、体調が良くなる、腸内環境に良い、太りにくさにつながるなどと注目をされるようになりました。
気になる方は試してみても良いかもしれませんね。
ただ、小麦粉は様々な食品として存在しておりますし、摂り方や選び方により良い面もありますので、「グルテンフリー」は万人に良いとは言い切れません。こういう食事方法もあるんだと知ったうえで、選択肢を増やしていくことは大切かと思います。

 

パンの選び方


★白いパンよりも、茶色いパンがおすすめ
精製された小麦粉だけでつくる白いパンよりも、小麦の表皮(ふすま=ブラン)や胚芽などまるごと使った全粒粉のパンや、胚芽パン、ブランパンなど茶色いパンは食物繊維やビタミンB群など栄養素が豊富に含まれます。お米でいうと精白米と玄米をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
 
★ライ麦パンがおすすめ
小麦粉と違ってライ麦粉はグルテンが形成されず、乳酸発酵させてパンをつくります。小麦粉でつくるパンよりハード(硬めでずっしり)であることや酸味があることが特徴です。ライ麦パンも白いパンよりも食物繊維やビタミンB群など栄養素が豊富であり、食べ応えから満足感が出やすいので、ダイエットを気にされている方にもおすすめです。
 
★パン屋さんのパンがおすすめ
スーパーやコンビニで販売されているパンは日持ちするものが多く、どこでも買いやすいメリットはありますが、添加物が多く含まれていたり、マーガリンやショートニングなどトランス脂肪酸が含まれるものも多く、食べる頻度が高い方はとくに、原材料や添加物にこだわったパン屋さんのパンを選ぶ方が身体にやさしいといえます。全粒粉パンやライ麦パンを扱っているパン屋さんを探してみるのもおすすめですよ。

 

パン食のバランスの摂り方、おすすめ食品

パン食ってどう?~太りやすい?メリット、デメリット、選び方などをご紹介~[吉田管理栄養士]

●単品食べを避ける
パンは主食であり糖質が多く含まれるため、単品で食べると血糖値が急上昇しやすくなります。なるべく一緒にたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを意識することが大切です。
ワンプレートにたんぱく源とサラダやフルーツ+スープなどおすすめです。
 
●具だくさんのスープを一緒に摂る
血糖値の急上昇を防ぐためにパンよりも先に摂り入れることをおすすめします。
おすすめのスープ(ミネストローネ、クラムチャウダー、たまごスープ、豆乳スープ、)
難しいときは、簡単なものを組み合わせてみましょう。(豆乳、トマトジュース、無糖ヨーグルト、ゆでたまご、チーズなど)
 
●塗るより挟む
もちろんサンドイッチの方が摂れる栄養素の種類が多くなります。
おすすめの具材例(レタス、たまねぎ、トマト、キャベツ、カボチャ、ホウレンソウ、ツナ、チーズ・卵、鶏肉など)
 
●つけるものの選び方
時間がなくさっと塗れるものや、つけるものを使いたいときもありますよね。
つけるならこれがおすすめ(オリーブオイル、砂糖不使用のジャム、マーガリンよりバター、はちみつ、クリームチーズなど)。
 
いかがでしたか。
パンのメリット、デメリットを理解し、選び方のヒントにしていただけたら幸いです。
パンが大好き、どうしてもパンに偏ってしまう、楽しみのひとつである、習慣で変えたくない、などパンの頻度が高い方、バランスが気になっている方は、是非パン食の健康的な摂り入れ方を参考にしてみてくださいね。

 

 

吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士
くらし薬膳 栄養アドバイザー

最終更新日:2024/11/08 15:26:06