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前回のコラムはこちら ▶「腸内環境にまつわるあれこれ〜その①~」
ヒトがもつ細菌は、皮膚、口腔をはじめ、胃や腸などの消化管と、ありとあらゆる場所に存在しますが、中でも、小腸の下部から大腸に最も多く存在します。 腸内に住む細菌の数は100兆個以上、重さにすると約1~2kgあるといわれます。量や重さに驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、この量からしても私たちの身体に与える影響が大きいことが分かりますね。 この腸内の細菌の集まりを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」といい、近年ではこの菌たちをお花畑にみたてフローラという言葉を使い、「腸内フローラ」と呼ばれ注目を浴びています。 腸内細菌は人それぞれ持っている菌が異なり、年齢によって数が変化するといわれます。 まず生まれたときは無菌状態で、母乳やミルクを飲みビフィズス菌が増えていきますが、乳児にハチミツをあげてはいけない理由がここに関係します。まだ腸内フローラが形成されていないことでボツリヌス菌が増殖、その排除が困難だからです。 離乳食が始まると徐々に腸内細菌は増え、家族の影響も受け、腸内フローラが大人に近づき、腸内細菌のバランスは両親と似ていくといわれます。 人により腸内細菌は様々で、食事や生活習慣によっても変わりますが、腸内細菌の割合については大きく変わることはないようです。 そして60歳以上になってくると、自然と善玉菌が減り、悪玉菌が増え始める傾向があるといわれます。理由ははっきりとは分かっていないようですが、これを踏まえ、少しでも悪化を免れる準備をしていきたいですね。 「気を付けていてもどうせ善玉菌は減ってしまうんでしょ」とがっかりしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、元々腸内環境が良い人と、良くない人では差が出てくると思いますし、食生活が関係なくなるわけでもないので、良い人はなるべく悪くならないように、良くない人は更に悪化させないように、日頃からしっかり腸内環境を整えておくことが大切ではないでしょうか。 さて理想的な腸内細菌のバランスですが、善玉菌:日和見(ひよりみ)菌:悪玉菌=2:7:1といわれており、このバランスが崩れ悪玉菌が増えると様々な不調が起こります。 ではそれぞれの働きについてみていきましょう。 簡単に述べますと ・善玉菌…消化吸収に関わり、身体にとって良い働きをする菌 ・日和見菌…善玉菌優勢のときは良くも悪くもなく、悪玉菌が優勢になると悪い働きをする菌 ・悪玉菌…有害な毒素を作り出したり、身体にとって悪い働きをする菌 詳細は以下の通りです。
*注1ちなみに乳酸菌とは乳酸を作りだす細菌の総称次に菌は大きくグループ分けされます。
さらにそのグループに属する菌についてみていきましょう。代表的な菌と特徴を挙げます。
さらに代表的な菌を挙げます。
一部の菌ですが、それぞれ特徴や及ぼす作用は様々ですね。複雑に思う方もいらっしゃるかと思いますが、表ごとにみていくことで、イメージして整理することができたら良いなと思います。腸内環境を整える食品などについてはまた次回お伝えしていきたいと思います。 吉田桃子/Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/10/23 17:08:11
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