JKA日本くらし薬膳協会
お鍋で体調メンテナンス~具沢山のお鍋で体調やメンタルのバランスを整えよう!~[吉田管理栄養士]

お鍋で体調メンテナンス~具沢山のお鍋で体調やメンタルのバランスを整えよう!~[吉田管理栄養士]

冬の定番料理といえばお鍋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。最近では様々な鍋用スープ、鍋具材セットなど、お鍋に関する商品はたくさん売られていますし、レシピも雑誌やインターネットなど、お鍋に関する情報も目にする頻度は高いかと思います。 一週間の献立で、お鍋が登場するご家庭も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、体調別にお鍋の食材でおすすめの組み合わせをご紹介させていただきます。

お鍋の種類

鍋料理には様々な種類がありますね。
寄せ鍋、もつ鍋、水炊き、おでん、しゃぶしゃぶ、すき焼き、土手鍋、キムチ鍋、豆乳鍋、火鍋、薬膳鍋など、また洋風ではポトフやブイヤベースなど、挙げればキリがないほど
味付けや具材によってもレシピは無限といえます。

お鍋で体調メンテナンス~具沢山のお鍋で体調やメンタルのバランスを整えよう!~[吉田管理栄養士]

お鍋がおすすめの理由

●身体を温めることができる
免疫UP、代謝UP、暖房の節約になります。
●野菜のかさが減るので沢山食べることができる
食物繊維をしっかり摂ることができ、スープに流れた栄養素も摂ることができます。
●様々なたんぱく源を摂ることができる
肉類、魚介類、大豆製品、卵、チーズなど複数を組み合わせて摂りやすい。
●時短料理で栄養バランスも整えることができる
複数の料理をしなくても、一汁三菜(主食、主菜、副菜、汁物)を成立させることができます。
●洗い物が簡単
取り分けのお皿は最低一つから可能です。
 
もともとお料理が苦手な方でも、カット野菜や市販の鍋スープなどを利用したりすれば、ハードルは更に下がり、簡単に時短することができます。
なかなか家事にゆっくり時間をかけることができる方は、少ないのではないでしょうか。
その中でも上手に時短をして、効率よく栄養素を摂るには、お鍋は最高の料理だと私は思います。
お料理で時短できた分、お風呂にゆっくり浸かって、外側からも身体をあたためて血流を良くすることができれば、冬の寒さでこわばった身体がほぐれ、疲労回復効果、リラックス効果が期待できます。精神の安定にもつながりますよ。

 

目的別食材や味付けのおすすめ


お鍋というだけでこれだけのメリットがありますが、さらに目的別に、おすすめの食材や食べ方をピックアップしてみましたので、体調に合わせてアレンジしてみると良いですね。

疲れやだるさ、やる気が出ないなどのお悩みがある方へ

おすすめ にんにく、たまねぎ、ニラ、ネギ
おすすめ 豚肉、牡蠣、大豆、黒豆
おすすめ 米、雑穀、芋、黒ごま、黒きくらげ
おすすめ④ オイスターソース、豆板醤

これらは代謝UPに役立つビタミンBの吸収を高めたり、ビタミンBやたんぱく質、ミネラル類を補うためにおすすめの食材です。
また、薬膳として、補気(体力回復、疲労改善など)や補血(血をつくる)の効能をもつといわれる食材も挙げております。
挙げたすべての食材を一緒に摂らなくてはいけないということではなく、お好みのお鍋具材にどれかを組み合わせて『疲労回復鍋』レシピにしてみませんか。

ダイエットしたい方へ

おすすめ キムチ、しょうが
おすすめ 豆腐、鶏むね肉を使った鶏だんご、白身魚
おすすめ きのこ類、トマト、葉物野菜、白滝

食物繊維をより多く摂る、低脂質である、燃焼効果を高める、などにおすすめの食材です。
しめの炭水化物(米や麺類)などは避けるか少量にする、低糖質食材などにするのも良いですね。
キムチベースやトマトベースのお鍋にするとコクがあり、見た目にも満足感のあるお鍋になりますよ。

 胃腸の疲れが気になる方

おすすめ 大根、かぶ、きゃべつ、ねぎ、かぼちゃ
おすすめ たら、ぶり、卵、豆腐
おすすめ 米、黒豆、白きくらげ
おすすめ④ 豆乳、しょうゆ

消化に負担をかけにくい食材や、薬膳では消化吸収の促進する、胃腸の働きを助ける、胃を丈夫にするなどの効能をもつといわれる食材を挙げております。
脂っぽくないスープや食材にし、やわらかめに煮たり、小さめにカットしたりすることで、よりお腹に優しいお鍋になります。しめは卵雑炊などにしても良いですね。

特に冷えが気になる方へ

おすすめ しょうが、ねぎ、ニラ、かぼちゃ
おすすめ 鮭、えび、ぶり、鶏肉、ラム肉
おすすめ③ もち
おすすめ④ 味噌、酒粕、キムチ

血流を良くする働きのある食材、温性といって身体を温める性質のある食材などを挙げております。
酒粕と味噌をベースにしたものや、キムチベースにして考えると合いそうな具材がみえてきますね。

お鍋で体調メンテナンス~具沢山のお鍋で体調やメンタルのバランスを整えよう!~[吉田管理栄養士]

~お鍋の注意ポイント~

身体に良いことを中心に、お話をしてきましたが、気を付けてほしいこともあります。

・汁物なので、塩分の摂りすぎにならないよう、味は塩味を薄くして、食材の旨味をいかし、薬味を使用するなどして楽しみましょう。
・温かいことが良い特徴の一つですが、熱すぎるのは食道の炎症などにもつながりますので、よそってからは食べやすい温度にしてゆっくり食べるようにしましょう。
・ヘルシーなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、具材によっては高カロリーになり、また沢山食べすぎてしまいがちなのもお鍋の特徴です。ダイエットを意識されている方は気を付けてくださいね。

 

さいごに

冬の時期におすすめという前提で考えておりますので、ベースは冬に出回る白菜や大根などのお野菜を中心に作ることをおすすめ致します。気になる項目がある方は組み合わせを意識されてみてくださいね。
 
薬膳鍋ときくと抵抗があったり、家庭ではなかなか難しかったりして諦めている方もいらっしゃるかもしれませんが、日常で手に入りやすい食材でもご自分なりの『薬膳鍋』は可能です。難しく考えずに是非楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士
くらし薬膳 栄養アドバイザー

最終更新日:2024/11/08 15:12:18