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大豆は私たちにとって大切な栄養素を含み、普段の食事に欠かせない食品のひとつです。大豆をそのまま召し上がられなくても、みそ、しょうゆ、納豆、豆腐、油揚げ、厚揚げ、がんも、おから、豆乳、高野豆腐、大豆ミートなど様々に姿形を変えて存在しますので、毎日何かしら口にしている方も多いのではないでしょうか。 さらに枝豆(未熟状態の大豆)や大豆もやしも含めると一つの植物から実にたくさんの栄養素を私たちに与えてくれていることがわかります。
マメ目マメ科ダイズ属で黄大豆、青大豆、黒大豆、白大豆など様々な種類があり、歴史は中国から朝鮮を経由して日本に伝わったといわれております。 大豆という名称は「大いなる豆」、「大切な豆」との意味からきているようで、古くから大切な栄養源として扱われていたようですね。
大豆には様々な種類が存在しますが、今回は豆まきや普段の食卓にも使われやすい黄大豆について注目していきます。
大豆は植物性食品でありながら、たんぱく質(アミノ酸)が豊富に含まれるため、「畑の肉」ともよばれております。もちろんアミノ酸スコアも100であり、良質なたんぱく源であるといえます。 ※たんぱく質は分解されるとペプチド→アミノ酸となります。
たんぱく質は身体のエネルギー源であり、身体をつくるための大切な材料となります。皮膚、筋肉、臓器、髪や爪だけでなく、代謝や調節に関わるホルモンや酵素をつくる働きがありとても大切な栄養素です。 また、免疫力UPにも役立ち、大豆たんぱくに関してはコレステロール抑制、血圧上昇抑制、中性脂肪(肥満)抑制などの効果が期待できるといわれております。
豆類にはビタミンB1、B2、B6、葉酸などのビタミンB群が豊富に含まれます。B1は糖質の代謝、B2は脂質の代謝、B6はたんぱく質の代謝に関わり、効率よくエネルギー産生。 ビタミンB群は一緒に摂ることで助け合って働き、疲労、貧血、口内炎対策やお肌の健康などに大切な栄養素です。
リン脂質の一種であるレシチンは細胞膜の成分であり、神経伝達物質の材料でもあります。特徴としては水と油どちらともなじみやすい乳化作用があげられ、原料によって、大豆レシチン、卵黄レシチンとよばれます。
【期待できる効果】 ・中性脂肪対策 ・肝機能脂肪肝予防 ・コレステロール対策 ・動脈硬化予防 ・記憶力改善 ・認知症予防 など
ポリフェノールの一種です。女性に大切な成分として最近ではもう皆様ご存知ではないでしょうか。一番注目したい栄養成分ですね。
【期待できる効果】 ・抗酸化作用により活性酸素除去 ・女性ホルモンに似た働きにより(骨粗鬆症予防、コレステロール排出、ゆらぎ期(※1)などホルモンバランスのくずれによる不調改善) などが挙げられます。
(※1)ゆらぎ期(更年期)についてや、女性ホルモンの働き、イソフラボン(エクオール)との関係などはまた次回以降詳しくお伝えさせていただきます。
大豆には他にもビタミンEやミネラル、食物繊維、オリゴ糖など様々な栄養素が含まれます。たんぱく質やビタミン類以外にも嬉しい栄養素がたくさんつまっていますね。 薬膳でも大豆は建脾といって胃腸の働きを高めたり、お腹の調子を整える、気を補うなどの効能をもつといわれ、身体が弱っているときや、疲れているときにもおすすめです。胃腸の疲れや弱さを感じるときは、大豆そのままで召し上がるより、豆腐など柔らかい状態のものや、温めた豆乳などで補ってあげると良いですね。体調や体質に合わせて加工方法や温度、調理法などを工夫して組み合わせていきましょう。
~おすすめメニュー例~
◆豆乳坦々鍋 (普通のおなべをつくる要領で、スープを豆乳にして、坦々を好きなひき肉で、甜麺醤、豆板醤などで作りお鍋に入れます) ◆松風焼き風豆腐ハンバーグ (鶏ひき肉と豆腐でつくるハンバーグにショウガやごま、みそなどを混ぜて焼きます) ◆大豆とじゃこの炒め和え (大豆とじゃこを、しょうゆ、砂糖、酒などで炒め煮にして、お好みでゴマを和えます) ◆納豆にまぜまぜ (ネギ、大根おろし、めかぶ、アボカド、たまご(卵黄が◎)、ごま、キムチなどお好みで) ◆豆乳リゾット (ご飯とお好きなきのこ類や、鶏肉などを豆乳でリゾットにします。玄米にしたり里芋を入れるのもおすすめ)
これらは私も好きでよく作っているメニューです。特別な食材を使わなくても様々な大豆製品を使って日々飽きずに大豆の恩恵をうけられるのが嬉しいですね。またお値段も手ごろで、手に入りやすい食材でもあるこういった食品をベースに、旬のお野菜や体調に合わせて組み合わせるものを考えていけると、健康的な食事につながっていきます。 是非大豆製品を上手に活用してみてくださいね。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/10/30 14:20:35
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