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今は様々なお菓子があちらこちらの店頭に並びますが、やはりバレンタインといえばチョコレート!大きな声では言えないのですが、私はチョコレート好きです。
10年近く前まではバレンタイン用のプレゼントを選びつつ、自分にもちょっぴり高級なチョコレートを買ったりしていました。昔に比べて最近はチョコレートの種類が豊富なのであえてバレンタインにご褒美ではなく、ちょくちょく買ってしまうのですが…。
実はチョコレートには他のお菓子にはない良さがありますので、この場をお借りしてチョコレートにまつわるお話をお伝えしたいと思います。
まずチョコレートはカカオが原料ですが、その歴史は深く、紀元前よりメソアメリカ(おおよそ現在の中央アメリカとメキシコ)で貴重な物として扱われ、お金の代わりや、神様の飲み物とされていたようです、当時は食べ物ではなく飲み物として王族や貴族で利用されていました。
そしてスペインへ持ち込まれ、バニラや砂糖などを加え甘い飲み物となり、ヨーロッパ全土に伝わり、イギリス人によってカカオ豆をすり潰して砂糖やココアバターを加えたものである「食べるチョコレート」が開発されました。
日本には18世紀末頃(江戸時代)、オランダや中国との交易があった長崎へ最初に伝わったとされ、初めてチョコレートが発売されたのは明治時代とのことです。東京の風月堂が初めての製造といわれ、大正時代より発展し、森永や明治を中心に工場生産されていったようです。
元々カカオはとても貴重とされていたようですが、先人たちはカカオの栄養価が素晴らしいことに気づいたのですね。知識や成分などを知らなくても体感で気づき知る、これはとても大切なことですよね。
ポリフェノールとは、ほとんどの植物がもつ色素や苦みなどの成分で、これは自分の身を守るためのもので 抗酸化作用があります。
抗酸化作用があるということは、活性酸素を除去し身体のサビ予防に役立ちますので、動脈硬化予防や、生活習慣病予防、アンチエイジングへの効果が期待できます。特にカカオポリフェノールはLDLコレステロールの酸化予防や、血管の炎症を抑える、血圧低下、アレルギー改善、美肌、肝機能向上など様々な効果が期待できるといわれております。
苦みの成分で、カフェインに似ており利尿作用がありますが、その作用はカフェインより弱いといわれております。 脳に働きかけ、集中力や記憶力、思考力を高めたりやる気を出す、疲労回復などの効果や、また、自律神経を整えたり、リラックスの効果も期待できるといわれております。 余談ですが、犬や猫はこの成分に弱いため絶対にあげないようにしてくださいね。
豊富に含まれ、腸内で便のかさ増し、腸のぜんどう運動のサポートをして便秘予防や改善に役立ちます。ただし不溶性食物繊維は、便秘のお悩みが強い方はかえって便のかさが増えて硬くなり、出にくくなってしまう場合もあるため、注意が必要です。
カカオ豆からカカオエキスを除いた油脂分。 飽和脂肪酸を多く含み、摂りすぎは動脈硬化につながったり、太ってしまうなど、良くないといわれておりますが、カカオバターに含まれる飽和脂肪酸は、血圧上昇抑制やコレステロール値低下の作用があり、比較的身体にたまりにくいなどどいわれております。
鉄や亜鉛、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれ、貧血、疲労、むくみの予防などにも役立つといわれております。
抗酸化作用のある脂溶性ビタミン。身体のサビ予防で美容、アンチエイジングに役立ちます。また毛細血管の拡張作用があるともいわれ、末端の冷え性改善にもおすすめの栄養素。
独特の甘い香りはカカオ豆発酵の過程でできるそうで、例えばバニラの香気成分はバニリン、オレンジなどのリモネン、のような分かりやすいものではなく、500種類以上の香気成分でなりたっているそうです。 この香りにも脳の中枢神経に作用し、集中力を高めたり、リラックスの効果があると言われております。
ビタミン、ミネラルに加え、嬉しい成分が含まれていますね。とはいえ、チョコレートを作る過程ではお砂糖も沢山使われていたりしますので、もちろん食べすぎには注意です。高カカオのチョコレートを選ぶようにしていくと良いですね。
ちなみにスーパーフードと呼ばれるカカオニブは、カカオ豆を焙煎し、外皮と胚芽を取り除き砕いたもので、ナッツのような食感があります。 砂糖やバター、クリーム、加工過程での添加物なども入っていないので、脂質や糖質が気になる方はカカオの良いとこ取りができるカカオニブを取り入れてみるのも良いですね。食べにくい場合はドライフルーツと合わせてみたり、ヨーグルトやスムージー、手作りお菓子、ホットドリンクに混ぜてみたりするのもおすすめです。
しかしこれも食べすぎには注意。人にもよりますが目安は1回5gくらいまで、多くても体重10kgあたり10gまでなどといわれております。またカフェインが含まれることや、消化があまり良くないなどといったことからも、妊娠中には控えた方が好ましく、お腹の調子や体調に合わせてご自分で調整していくようにしましょう。
吉田 桃子/Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/10/22 14:14:23
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