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今はハウス栽培など技術の進歩によって年中食べることができますが、本来の露地栽培(※1)では3月~5月くらいまでの春~初夏が旬の時期です。 (※1温室設備などを使わず屋外の畑での栽培方法) ハウス栽培などが多くなってからは季節的な需要からも12月後半~2月くらいに多く出回っています。
甘酸っぱくて美味しく、鮮やかな赤で見た目にも楽しませてくれるいちごですが、栄養素の面でも優秀です。
いちご100gあたりに62mgと豊富に含まれます。(ビタミンCの推奨量は成人で一日100mg) いちごの大きさにもよりますが、小粒~中粒くらいの大きさのもの8個くらいで約100gです。 ビタミンCは免疫UPに役立つのはもちろんのこと、コラーゲン生成にも関与しお肌や粘膜の健康にもつながります。また、紫外線、ストレス、運動、たばこ、多量飲酒などは活性酸素を増加させ、身体のサビ、老化につながりますが、この活性酸素を除去してくれる抗酸化力をもつのも特徴です。
いちご100gあたり90μgと豊富に含まれます。 (葉酸の推奨量は成人で一日240㎍ 妊婦は+240㎍で一日480㎍ 授乳婦は+100㎍で一日340㎍) 葉酸はビタミンB群のひとつで水溶性ビタミンです。ビタミンCやビタミンB1、ビタミンB2などとは呼び方が異なるのでわかりにくい方もいらっしゃるかもしれませんが、葉酸はほうれん草の葉から発見された栄養素で名前の由来になっています。 葉酸は妊婦さんが摂らなくてはいけない栄養素として認識されている方も多いのではないでしょうか。 これは葉酸が不足すると胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まるとされているため、妊婦さんは絶対に欠かしてはいけない栄養素であり、食事と併せてサプリメントなども利用してしっかり摂取していくことが大切です。 また葉酸はこのこと以外にもビタミンB12と協力して(※2)赤血球の生成やたんぱく質の代謝、細胞の合成への関与など大切な役割を果たしてくれており、動脈硬化、虚血性心疾患などの予防にもつながるという研究もされています。妊婦さんだけに限らず、女性、男性、お子さんにとっても不足させたくない栄養素のひとつです。偏った食生活、ダイエット、過剰な飲酒習慣がある方などは特に注意しましょう。 (※2 葉酸はビタミンB12(肉類や乳製品に多く含まれる)と一緒に摂ると◎)
ポリフェノールの一種で色素成分です。 高い抗酸化力を持つのでビタミンC同様に活性酸素除去に役立ち、目の疲労回復、視力回復など目の健康にも効果が期待できるといわれています。
ガムや歯磨き粉の成分として有名ですね。実はキシリトールは天然の甘味料なのです。糖アルコールの一種で砂糖と同等の甘味を持ちます。 いちごにはこのキシリトールが含まれます。キシリトールの特徴としては虫歯予防や、甘味があるのに砂糖よりもカロリーが低いこと、水に溶けるときに熱をとる(食べたときにスーっとした涼感がある)などがあります。
いちごの糖質量は100gあたり7.1gと、他の果物に比べて低めです。 例えばみかんは100gあたり11.2g、キウイは100gあたり11gですので、100gあたり10gをきっているいちごは糖質を気にされている方にもおすすめです。 また、いちごは一粒ずつ食べる量も調整しやすいので、糖質が気になる方や私のように冬にちょっと油断してしまった方には嬉しいおやつですね。 いちごには他にもカリウムや食物繊維などの栄養素も含まれ、とても優秀な食材ですが、上記にあげた栄養素はとくにこれからの、暖かさというより暑さを感じる日があったり、紫外線が気になる季節にさしかかったりする今の時期にとても合っているといえます。 薬膳でもいちごは涼性の食材であり、暑さをしずめ、止渇といって喉を潤す働きや、他にも消化や肝臓の働きなどを助けてくれる作用をもつといわれています。 いちごは様々な食べ方があり、ケーキやジャム、ジュースなどにしていただくのも美味しいですが、旬の時期である今は是非そのまま生で、食後のデザートなどに召し上がられてはいかがでしょうか。 生で食べることでビタミンCや葉酸など水溶性の栄養素もしっかり摂り入れることができ、食感も楽しめますね。
ちなみに、いちごはつい食べやすさから先端からヘタのある上のほうへ向かってかじる方も多いかと思いますが、ヘタのついている上から細くなっている先端へ向かって食べるほうが、甘味を感じやすく美味しさがUPするのでおすすめですよ。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/10/30 14:38:13
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