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原産地は中米ですが、日本には中国からやってきました。琉球(沖縄)、薩摩(鹿児島県)に伝わり、中国(唐)からきたということで唐芋(からいも)や、甘い芋という意味の甘藷(かんしょ)と呼ばれていたそうです。関東には薩摩から伝わったので薩摩芋と呼ばれるようになったとのことです。
さつまいもといえば食物繊維が多いことは有名ですね。ガスが出やすくなるというのも食物繊維によって腸が刺激されるから。そのため、食べるのを躊躇してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、それをさしおいても、さつまいもには魅力的な栄養素が豊富に含まれ、メリットがたくさんあります。
さつまいもには100gあたり25mgのビタミンCが含まれます。でんぷんに守られるため加熱しても壊れにくいという特徴があり、また、切らずにまるごと蒸すなどの調理をすることでさらに栄養素の流出を防ぐことができます。これから寒くなっていきますので、ビタミンCはしっかり摂って風邪予防、免疫力UPを意識していきたいですね。
肌寒くなる季節に熱々でほくほくのさつまいもは美味しいですよね。けれども、体重増加を気にされている方やダイエット目的の方は冷やして食べることがポイントです。 一度加熱して冷やすことで、消化しにくいでんぷん「レジスタントスターチ」を増やすことができます。食物繊維と同様に、腸内細菌のえさとなり善玉菌増加につながったり、腸の動きをよくする効果が期待できます。冷蔵庫以下の温度で冷やすことで増えるといわれており、そのあと常温に戻してもレジスタントスターチは減りません。ただし、レンジなどで加熱してしまうと減ってしまうため再加熱は避けましょう。
さつまいもには水溶性と不溶性の食物繊維両方が含まれ、それだけでも腸の健康には十分おすすめなのですが、さつまいもを切ったときに出てくる白い液体「ヤラピン」にも便秘対策につながる効果的な働きがあります。ヤラピンは腸を刺激して運動を活発にしたり、便を柔らかくする作用があるといわれております。また胃の粘膜を保護する働きもあるといわれております。
ご存じの方も多いと思いますが、さつまいもの皮にはアントシアニンが含まれます。これを食べないともったいないですよ。アントシアニンは抗酸化作用があり活性酸素を抑制してくれて、身体の老化予防、目の健康にも役立ってくれます。 皮にはその①~③で挙げた成分も多く含まれるので、美容効果もしっかりUPしたい方はよく洗って是非皮ごと食べるのがおすすめです。またアントシアニンは紫芋にはとくにたくさん含まれますね。
さつまいもにはクロロゲン酸というポリフェノールも含まれます。切ったときに変色するのはこれが正体なのです。見た目を悪くしてしまう成分ですが、実は優秀成分。ポリフェノールなので抗酸化力があるのはもちろんのこと、血糖値上昇の抑制、脂肪蓄積抑制、メラニン生成の阻害など様々な作用があるといわれております。
おすすめの栄養素を挙げましたが、さつまいもには、これらの他にもカルシウムやカリウムなど、健康に役立つ栄養素が含まれます。カリウムは高血圧やむくみが気になる方におすすめです。 ダイエット向きである情報を多く書きましたが、もちろん健康、美容にとても役立つ食材なので、ご自身、ご家族の体質、体調に合わせて食べ方を工夫されてみると良いですね。
例えば…
●皮が苦手な方 無理せず排除しても良いですし、つぶしてスイートポテトにしたり、千切りにしてサラダにするのもおすすめです。乾燥芋なども良いですね。
●身体の冷えが気になる方 温かいまま食べたり、スープにするのもおすすめですが、身体を温める熱性の胡椒やシナモンと合わせるのもおすすめです。
~竹田先生のおすすめレシピ~ ▼さつまいもの黒胡椒ソテー https://oceans-nadia.com/user/229092/recipe/383888
●お腹がごろごろしすぎてしまう方 腸内環境が整っていると、さつまいもが原因で出るガスは臭くないといわれております。 腸内が乱れていて、においやごろごろしてしまうのが気になる方は無理せず、量を食べ過ぎないようにしたり、冷やすのを避けてみましょう。
いかがでしたか。 さつまいもはすでに出回っておりますが、収穫されて少し置いたもののほうが美味しくなるともいわれております。これから1月頃までがおすすめですので、是非おやつに、食事に摂り入れてみてくださいね。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/11/07 15:24:35
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