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スプラウトを活用しよう!~お野菜不足しがちな方におすすめ野菜のひとつ「スプラウト」は手頃で手軽♪~【吉田管理栄養士】

スプラウトを活用しよう!~お野菜不足しがちな方におすすめ野菜のひとつ「スプラウト」は手頃で手軽♪~【吉田管理栄養士】

皆様は普段、スプラウトは利用されていますか? スプラウトは野菜の新芽のことで、もやし、カイワレ大根、豆苗、ブロッコリースプラウト、アルファルファ(ムラサキウマコヤシ)などがよく売られているかと思います。 もやしやカイワレは昔から馴染みがあるお野菜ですが、近年ではとくにブロッコリースプラウトの栄養素や、豆苗は再生栽培=リボベジできることから注目を浴びています。 スプラウト自体それぞれ魅力がありますが、今回は豆苗、ブロッコリースプラウト について触れていきます。

豆苗とは

 

えんどう豆を発芽させ育てた若菜。
えんどう豆は豆苗、さやえんどう、スナップえんどう、グリーンピースなど成長状態により様々な形で楽しめますが、これらが同じ植物であることになかなか結び付かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
豆苗は販売するために水耕栽培して育てられ、安定した供給が可能であることや農薬の心配などもなく、生のままでも加熱しても手軽に食べられることが特徴です。

 

豆苗に含まれる栄養素の特徴

様々なビタミン類が含まれますが、特にビタミンAKC、葉酸などが多く含まれます。

 
◆ビタミンA

豆苗にはβカロテンとして存在し、体内でビタミンAへ変換されます。皮膚、粘膜、目の健康に大切な栄養素です。

◆ビタミンK

通常の食事で不足することはあまり考えられませんが、血液凝固、骨づくりにも関わる大切な栄養素です。

◆ビタミンC

ビタミンCの役割については過去のコラムでも触れていますが、この時期は紫外線が多いことからも美容のために積極的に摂っていきたい栄養素です。

◆葉酸

ビタミンB群のひとつで、妊活中、妊娠時に大切な栄養素として認識されている方も多いと思います。胎児の成長に必要なことはもちろんですが、貧血予防にも大切な栄養素です。

 

おすすめメニュー

そのままサラダや和え物などにしても、食べることはできます。豆類には、レクチンという毒素が含まれ、生のままでは中毒症状を起こすことから、豆苗も同じように思われがちですが、豆苗はレクチンがほとんど含まれず心配ないといわれております。
ただ、青臭さが苦手という方や胃腸が弱く消化不良を起こしやすい方、お子様などは、加熱したほうが食べやすくおすすめです。
また、ビタミンAなど脂溶性のビタミンは、油と一緒に摂ることで吸収が良くなりますので、加熱する際は、茹でるより炒め物が

【メニュー組み合わせ例】

・豆苗と鶏肉のオイスター炒め
オイスターソースを使うことで満足感UPにもつながり、胃腸のケア、肝臓サポート、貧血ぎみの方に
ヘルシーにしたい方は、鶏むね肉がおすすめですが、スタミナUPには、豚肉やにんにくを使うのもおすすめですよ。

・豆苗と厚揚げの干しエビあんかけ
ごま油でさっと炒めることで、風味UPや便通対策につながります。Ca豊富な干しエビを使用することで、骨の健康にも
 
・豆苗とたまごのスープ
身体のむくみや胃の疲れが気になる方は、大根やチンゲン菜をあわせたり、免疫UPや抗酸化UPしたい方は、小松菜や人参をあわせたりすると

など。

スプラウトを活用しよう!~お野菜不足しがちな方におすすめ野菜のひとつ「スプラウト」は手頃で手軽♪~【吉田管理栄養士】

どれも疲労回復におすすめのメニューです。肥満対策、便秘対策に強化したい方は、きのこをプラスすると
私は初めて豆苗を再生栽培したとき、窓際に置いたところ、日の当たる方へ斜めに傾いて育つのを見て、かわいく感じたことを思い出します。あまり植物を育てることがない方でも、豆苗はとってもハードルが低く、植物を育てるのが苦手、枯らしてしまうことが多い、そんな方にもおすすめですよ。毎日お水を取り替えること、夏場は一日2回以上水を取り替えることがポイントです。
繰り返しずっと育てたくなるかもしれませんが、再生できるのは衛生面や成長面から、1回~2回くらいまでです。

 

ブロッコリースプラウトとは

ブロッコリースプラウトはブロッコリー(成熟した株のもの)の新芽のことをいい、見た目ではブロッコリーの方がしっかり栄養素が含まれていそうに見えますが、小さくひょろひょろしていても、ブロッコリーより抗酸化力をもつビタミン類や優れた栄養素が豊富に含まれます。
ブロッコリーは加熱が必要ですが、ブロッコリースプラウトは生のまま食べられることからも、栄養素を逃さず摂取できるというメリットがあります。

 

ブロッコリースプラウトに含まれる栄養素の特徴

豆苗と同様にビタミン類が含まれますが、ビタミンCEはこちらの方が多く含まれています。
ビタミン類の他に、ファイトケミカル(1)の一種であるスルフォラファンという成分を含み、こちらが特に注目していただきたい成分です。
 
1ファイトケミカルとは
植物が紫外線や虫など害となるものから守るためにつくられた、辛味、苦味、色素、香りなどの成分で、大きく分けて、ポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物などがあります。
 
それぞれの代表的な成分
ポリフェノール アントシアニン、イソフラボン、カテキンなど
カロテノイド  βカロテン、リコピン、ルテインなど
含硫化合物 イソチオシアネート、アリシン、スルフォラファンなど
他にもまだまだたくさんあり、それぞれ含まれる食品などもご紹介したいのですが、今回はスルフォラファン押しでいきますね。

 

スルフォラファンについて

主にアブラナ科の植物に含まれ、キャベツやブロッコリーに含まれますが、ブロッコリースプラウトは、ブロッコリー(成熟した株のもの)以上にスルフォラファン含有量が高く、10倍以上といわれております。
スルフォラファンが優れた効能をもつことを解明したのは、アメリカの博士(ジョンズホプキンス大学のポール・タラレー博士)で、さらにスルフォラファン濃度が高い品種を発見しています。
その高濃度のスルフォラファンが含まれたものを「スーパースプラウト」とし、濃度が低いスルフォラファンと区別するため認定基準を設け、濃度が高いスルフォラファンには「BRASSHICA(ブラシカ)マーク」というものがつけられています。
通常のブロッコリースプラウトのスルフォラファン含有が、ブロッコリー(成熟)の10倍以上に対し、スーパースプラウトは20倍以上含まれるといわれております。

 

なぜスルフォラファンが多いと良いのか?

抗酸化や解毒に役立つ酵素の働きを高めるといわれ、老化予防、美容、免疫力UP、肝機能向上などが期待できます。
また、ピロリ菌殺菌・炎症抑制、スギ花粉による炎症反応の緩和の可能性、二日酔い緩和、便通改善、AGE(終末糖化産物)の抑制などに期待できることが研究結果でわかっております。

絶対ではないですが、健康や美容に役立ってくれることはかなり期待ができますね。

スプラウトを活用しよう!~お野菜不足しがちな方におすすめ野菜のひとつ「スプラウト」は手頃で手軽♪~【吉田管理栄養士】

おすすめメニュー

 

生のままサラダや和え物がおすすめです。生のままでは食べにくい、苦手という方は、スープに入れて汁ごと摂るようにしたり、加熱しすぎずトッピング程度にしたりして、使用するのもおすすめですよ。

【メニュー組み合わせ例】

・スプラウトナムル
もやしやブロッコリースプラウトでビタミンC補給に
トマトを添えればさらに暑さ対策になり、ツナやサバ缶をあわせるとたんぱく質UP、貧血が気になる方にもおすすめです。
 
・玉ねぎとスプラウトのサラダ
たまねぎをスライスし、卵黄とブロッコリースプラウトをのせて、麺つゆや酢またはポン酢で食べるのがおすすめ。食欲がない時や、疲労回復にもおすすめの組み合わせです。
 
その他冷ややっこに乗せたり、スムージーに入れたり、楽しみ方が色々あります。
ポイントは生で食べる、よく噛む、刻むこと!効率よくスルフォラファンを摂取することができますよ。
また調味料で酢を加えることで

・疲労回復効果UP
・血流UP
・栄養素の吸収UP
・殺菌効果UP
・身体を冷やし過ぎない

などさらに嬉しい効果が期待できます。夏野菜が多くなり、また食べたくもなるこの時期、薬膳の面から身体の熱をとることに優れていますが、組み合わせ方や食べ方で冷やし過ぎないことにも、しっかり気を付けていきたいですね。
殺菌効果もあるため、菌が増殖しやすい梅雨時期はとくにおすすめです。
 
いかがでしたか。是非スーパーのお野菜コーナーで、高濃度のブロッコリースプラウト「スーパースプラウト」を探してみてくださいね。

 

 

吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士
くらし薬膳 栄養アドバイザー

最終更新日:2024/11/12 17:20:58