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ミカン科ミカン属であるいわゆる柑橘類と呼ばれるものは、ゆずやレモン、いよかん、はっさく、夏みかんなど、かなり多くの種類がありますが、今回は温州みかんについて触れていきます。
収穫時期により呼び方が変わります。さらに品種などをみていくと、収穫される地域によっても異なり実に様々ですが、収穫時期別の種類だけざっくり挙げます。
●極早生(ごくわせ)みかん 9月~10月下旬頃 ●早生(わせ)みかん 10月下旬~12月下旬頃 ●中生(なかて)みかん 11月下旬~12月下旬頃 ●晩生(おくて)みかん 12月中旬以降~3月頃
極早生から晩生にいくにつれて、じょうのう膜(白い薄皮)は厚くなりますが、甘味や酸味が強くなりコクのある味になります。
中国の地名である温州から名がつけられましたが、みかんの原産は日本の鹿児島県といわれております。
ビタミンCが含まれていることはご存知の方も多いと思いますが、みかん1個(普通の大きさで約80~100gくらい)あたり約30mg~35mg前後のビタミンCが含まれます。キウイフルーツに比べると少ないと感じますが、一日のビタミンC推奨量の1/3はみかんで補えるということになります。
(※一日のビタミンC摂取推奨量は100mgとされています。免疫UP、風邪対策、ストレス、喫煙、疲労、美容などを考慮した場合、最低摂取量を100mgとし、たっぷり摂ることをおすすめします。ただしサプリメントなどと併せて過剰な摂りすぎはお腹がゆるくなることがあるので注意しましょう。)
βカロテンやリコピン、アスタキサンチンなどと同様カロテノイドの1種で色素成分です。体内でビタミンAに変わります。ビタミンAの期待できる効果については「果物でからだを潤そう」の柿に多く含まれる栄養素のところをご覧いただければと思いますが、β-クリプトキサンチンには肺がんのリスク低減や脂質代謝異常(高中性脂肪)、肝機能、骨粗しょう症などのリスク低減の効果などが期待できることが研究結果であきらかになってきております。
豊富に含まれています。クエン酸の働きについては「冬の肩こり対策に」をご覧ください。
みかん皮や、実を包んでいる袋(じょうのう膜)、筋など白い部分に多く含まる成分で、みかん以外にもゆずやレモンなど他の柑橘類にも含まれます。 このヘスペリジンは抗酸化作用をもち、身体のサビ予防、免疫UPや、毛細血管の拡張作用で血流を良くして体を温めてくれる効果や、血管の老化予防、高血圧予防、抗アレルギーなどにも役立つといわれております。
これも白い部分に多く含まれ、水溶性の食物繊維です。 腸内環境を整え便秘改善などに役立ちます。 実の部分はもちろんおいしいですが、白い筋などを取り除いてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。オレンジの皮の部分だけ剥いたらできるだけ白い部分も一緒に召し上がると、摂れる栄養素がUPします。 ただ、身体に良いからといって、口の中に残るほどの硬い皮まで頑張ったり、胃腸が強くない方などは、無理せずご自分に合わせた食べ方をおすすめします。 みかんに含まれる気になる栄養素についてお伝えしましたが、だからといって食べすぎはよくありません。一日1個〜2個くらいまでがおすすめです。また血糖値が気になる方や疾病をお持ちの方は、医師の指示にしたがいましょう。 ちなみにですが、みかんを食べすぎると手や顔が黄色くなるのは柑皮症といって、カロテン(みかんの場合はクリプトキサンチン)によるものです。みかんだけでなく、ニンジンやカボチャなどカロテンを多く含む食品も原因となります。柑皮症はカロテンの摂取を減らせば自然と治りますが、どの食品も偏った摂取には注意しましょう。
みかんの皮は乾燥させると「陳皮(ちんぴ」として漢方薬の材料としても使われます。
柑橘類に含まれる香り成分「リモネン」には気の巡りをよくする働きがあり、リラックス効果、ストレスや不安の軽減など嬉しい効果が期待できます。陳皮、漢方などと聞くと難しいように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご家庭では入浴剤やお茶、また薬味などとして気軽に楽しまれてはいかがでしょうか。お茶には、はちみつやシナモンを入れるのもおすすめですよ。
①食べ終えたみかんの皮をしっかり洗います。 (農薬などが気になる場合は湯通しをする。) ②日中、ざるやネットなどに入れて干します。 ③一週間程度干してカラカラになれば完成。 (乾燥しきれていない場合はさらに干しましょう。) いかがでしたか? ビタミンCだけでなく嬉しい栄養素がいっぱいのみかん。ぜひ冬の乾燥、免疫UPに役立てていきたいですね。厳しい寒さが続きますが、風邪やウイルスに負けない身体づくりをしていきましょう。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida 管理栄養士 くらし薬膳 栄養アドバイザー
最終更新日:2024/10/29 17:18:45
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