JKA日本くらし薬膳協会
202609薬膳コラム(ダブル乾燥に負けない!秋の潤いチャージ薬膳)

ダブル乾燥に負けない!「秋の潤いチャージ薬膳」[くらし薬膳編集部]

9月中旬。昼間はまだ残暑が続いていますが、長引く雨の影響もあり、ふと爽やかな秋風を感じる日が増えてきましたね。立秋を過ぎて暦の上では秋を迎え、過ごしやすい季節に向かう嬉しさの一方で、この時期に「お肌のカサつきやツッパリ感が急に気になり始めた」「喉がイガイガして咳が出る」「夏から続く身体のだるさがなかなか抜けない」といった不調を感じてはいませんか? 実はその不調、長引く夏に受けた「エアコンによる隠れ乾燥」と、秋の訪れとともに強まる「空気の乾燥」が重なって起こる“ダブル乾燥(インナードライ)”が原因かもしれません。 今回は、夏から秋への過渡期に意識したい「身体の潤いチャージ」について、薬膳の知恵を交えて詳しくお届けします。

なぜ今、体内で「ダブルの乾燥」が起きるの?

東洋医学(中医学)において、秋は五臓の「肺(はい)」が主役となる季節です。ここでいう「肺」とは、単に呼吸をする器官だけではなく、皮毛(皮膚)や鼻、喉、そして体内の水分代謝全体をコントロールする重要な働きを指します。

この「肺」は大の乾燥嫌い。体内の潤いが不足すると、すぐに肌のカサつき、空咳、喉の違和感といった不調となって表面にあらわれてしまいます。また、肺に関係の深い「大腸」にも乾燥が影響を及ぼすと、便秘がちになるといった不調を招くと考えられます。

さらに近年は、10月近くまで残暑が長引く傾向にあります。冷房の効いた室内に長時間いたり、冷たい飲み物を過剰に摂り続けたりすることで、内臓は知らず知らずのうちに冷えて乾いてしまい、「隠れ乾燥」の状態に。そこへ秋特有の乾燥した空気が追い打ちをかけるため、体内の必要な潤い(東洋医学では「津液:しんえき」や「陰液:いんえき」と呼びます)が急速に奪われ、深刻なインナードライに陥ってしまうのです。

 

202609薬膳コラム(秋の潤いチャージ薬膳)乾燥肌

 

 毎日の食卓でできる「潤いチャージ」のポイント

体内からしっかりと潤いを補うためには、単に水分を摂るだけでは不十分です。「水分を補う食材」と「補った潤いを身体にとどめる食材」をバランスよく組み合わせることがポイントになります。

  1. 「肺」を潤す白い食材と旬の果物

東洋医学では「白い食材」が肺を潤すとされています。白ゴマ、白きくらげ、山芋、豆腐、百合根、大根、蓮根、ハスの実などは、乾燥した粘膜や皮膚に優しく水分を与え、健やかさを保ちます。また、梨やぶどう、柿といった秋の果物も効果的です。

202609薬膳コラム(秋の潤いチャージ薬膳)白い食材
  1. 体内の「血(けつ)」と水分を養う食材

お肌の弾力やハリを守るためには、水分だけでなく血を養うことも不可欠です。豚肉、卵、黒きくらげ、松の実、各種ナッツ類などは、身体の根底から潤いを満たし、乾燥によるシワやたるみを予防してくれます。また、血を養うことで、夏に消耗したエネルギーを回復させてくれます。

日常でできる!身近な「潤い習慣」

食生活に加えて、日々の暮らしの中で少し意識を変えるだけでも効果的です。


●冷たい飲み物から「温かい・常温の飲み物」へ切り替える

内臓が冷えると水分を吸収・代謝する力が落ちてしまいます。白湯やハーブティー、温かいお茶を選びましょう。

●バスタイムはシャワーで済ませず「湯船」につかる

じっくり身体を温めることで全身の血行が促進され、皮膚のバリア機能と潤い保持力が高まります。

 

おすすめの薬膳レシピ

202609薬膳コラム(秋の潤いチャージ薬膳)レシピ・白きくらげのサムゲタン風スープ

秋のインナードライ対策におすすめの一品
『白きくらげのサムゲタン風スープ』

乾燥ケアの救世主「白きくらげ」と、疲れた身体を温めてエネルギーを補う「鶏肉」の薬膳スープ。
冷えと乾燥が重なるこの時期、身体の芯から潤いをチャージしてくれますよ。

▼レシピの詳細はこちら

白きくらげのサムゲタン風スープ〈くらし薬膳〉

ぜひチェックしてみてくださいね。

 

おわりに

夏から秋への変わり目に生じる不調は、身体からの「ちょっと立ち止まって、私を潤して」という大切なサインです。特別な薬膳素材を使わなくても、スーパーで手に入る身近な食材の組み合わせで、体調は無理なく整っていきます。

長引く夏の疲れをすっきりとリセットし、しっとり快適な秋を迎えるために、今夜の食卓から「潤いチャージ薬膳」をはじめてみませんか?

 

日本くらし薬膳協会 くらし薬膳編集部 

最終更新日:2026/09/17 16:10:11