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中医学(中国伝統医学)では、自然界の過剰な湿気を「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。湿気は「重く、停滞する」という性質を持っており、これが体の中に入り込むと、私たちのエネルギーである「気」の巡りを妨げてしまいます。
特に影響を受けやすいのが、消化吸収を司る「脾(ひ)」、いわゆる胃腸の働きです。脾は湿気を非常に嫌う性質があるため、梅雨時は消化機能が落ちやすく、それが全身の倦怠感やむくみ、食欲不振へとつながるのです。
梅雨を元気に乗り切るための薬膳のキーワードは、「余分な水分を出す」ことと「胃腸を元気にする」ことです。
<利尿作用のある食材を取り入れる>
体内の余分な湿気を追い出すには、豆類やウリ科の野菜がおすすめです。 ・はとむぎ: 水分代謝を整える代表格。お米と一緒に炊くだけで手軽に摂れます。 ・小豆: 優れた利尿作用があります。甘さ控えめの煮小豆などが◎。 ・きゅうり・ズッキーニ: 体を適度に冷やしながら、余分な水を排出します。
<「香り」で気を巡らせる>
湿気で滞った「気」を動かすには、香りの良い食材が効果的です。 ・紫蘇(しそ)、パクチー、三つ葉: 独特の香りが、停滞した胃腸をシャキッと目覚めさせてくれます。 ・生姜、ネギ: 体を温め、発汗を促すことで湿を飛ばします。
食事以外でも、ちょっとした工夫で体感は変わります。
<冷たいもの・甘いものの摂りすぎに注意>
蒸し暑くなってくると、ついつい冷たい飲み物やアイスに手が伸びがちですが、これらは「脾」を最も弱らせる原因になります。冷たいものは控えめにし、なるべく常温以上のものを摂るよう心がけましょう。
また、湿気が多いと汗をかきにくくなり、熱がこもりやすくなります。お風呂にゆっくり浸かってじんわり汗をかいたり、軽いストレッチをして巡りを良くしたりすることも、立派な梅雨の薬膳(養生)です。
~緑豆春雨とはとむぎの中華風~
「湿」を追い出す代表食材であるはとむぎと、体の熱を逃がしてくれる緑豆春雨を組み合わせた、この時期にぴったりの一品です。
はとむぎのプチプチとした食感と、春雨の喉ごしの良さは、食欲が落ちやすい梅雨時にもぴったり。余分な水分をしっかりデトックスして、体を内側から軽やかに整えてくれます。 更にアレンジで、紫蘇や三つ葉、ネギなど香りのあるものを追加すると、気の巡りを助けてくれるので、薬膳パワーがアップします。
▼〈緑豆春雨とはとむぎの中華風〉レシピはこちら
https://kurashi-yakuzen.jp/recipes/chinese-style-mung-bean-vermicelli-and-wheat-starch/
ぜひチェックしてみてくださいね。
本格的な梅雨が来る前の今の時期から、少しずつ胃腸を労わり、巡りの良い体を作っておくことが、夏バテ予防にもつながります。 「雨の日も、体の中は軽やかに。」 そんな暮らしを、薬膳の知恵でサポートできれば幸いです。
皆様、どうぞ健やかな初夏をお過ごしください。
日本くらし薬膳協会 編集部
最終更新日:2026/05/20 12:58:17
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